度々ご紹介しているGoogleコミュニティモビリティレポートです。
フランスでは約55日間に及ぶロックダウン状態が、全国的に5月11日(月)からロックダウンの段階的解除がはじまりました。
しかしながら、報道によると、人々の様子はせきを切ったように外出し、ソーシャルディスタンスが守られていないというネガティブな報道が多いです。パリ セーヌ川沿いでも人があふれ、この様子を見た首相が怒り心頭でパリ市長にパトロールの緊急要請を出したとか!
5月11日(月)のセーヌ川の様子 |
自分の近所でも、もうコロナがどこかに行ってしまったかのように、騒ぐ人、友人同士で集まる、マスク無しで話す、言い出したらきりが無いですが、いわゆるロックダウン前の状態に戻ってしまった人が多く見られました。
段階的解除がはじまっただけで、基本姿勢は
Restez à la maison→Reste prudent
ちゃんと家にいてね→慎重に留まってね!
という、いわゆる今までの基本姿勢を尊重しながら段階的解除をしましょう、ってこと。
まぁこういう人たちが目立ってしまうのは報道されやすいからですが、実際には人の動きはどのように変化しているのでしょう。度々利用しているGoogle のコミュニティモビリティレポートを利用して数値を使い、
ロックダウン解除「前」と「後」
で比較してみます。前回の「日本との比較」では、フランスと比べ、日本の緩さ(人の移動の多さ)が目立ちました。とはいってもフランスの場合は罰金などの拘束力が強いため、また外出証明書を都度持参しなければならず、家に留まるを得ませんでした。今回は純粋にフランスだけで、解除前と解除後の比較です。
- レクレーション ショッピングセンター、映画館、レストラン、カフェなどに関する移動は、5/11の制限解除後も、まだほとんど制限が延長されているため、増加率は3割ほど。
- 購買 生活必需品の食料などの購買のための移動 制限当初は買いだめがあり、その後緊張感の中で外出自粛による買い控えが心理的にあり、その後精神的に落ち着いたのか定期的に買い物には出かける状態であったというのが個人的な感想です。解除後は外出証明書などの持参が義務化で無くなったので、コロナ前と比べて10%の減少だけでに留まっている。自分の偵察では、これまで閉められていた「日曜大工店、スポーツショップ、園芸店、家電量販店」などが再開し、平日から激混みでした。
上下の波は多め - 公園 こちらも外出制限に加え、閉鎖されていたので入ることもできず、制限中は8割前後の減少でしたが、3割減まで回復
- 仕事場 制限中と変わらず半分以下の移動、企業の活動は開始されているが、受注が戻らないため、社員半分ほどが未だ休んでいると言う状況、政府の休業補償も約一ヶ月延長されました。
週末、祝日の影響で波があるものの、約半数のいう結果 - 自宅付近 平時に比べて「+」の数値、これはコロナ前に比べて移動が増えたことを表します。制限中は半径1キロ以内という移動制限があったので近所をふらつくしか無かったのでコロナ前と比べて増加です。解除後は制限が無くなりました。しかし自宅待機のままの人が多いので、自宅付近の散歩や買い物が多いのではないでしょうか?遠出をせず、まだ危機感が強い人がいるという現れか?
購買に関しては人の移動がコロナ前に近づいている印象ですが、企業活動は依然として半分以下の状態が続いています。世界規模ではまだロックダウン解除になっていない地域もあり、国と国との移動も制限が多いです。
フランスは小学校は7月からバカンスがはじまります。小学校は解除とほぼ同時に再開されたものの、あと約一ヶ月後にバカンスが控え、再開しない学校もある中、再開しても登校させない家庭もあります。共働きが普通であるフランスでは、企業活動を開始するために学校の再開が必要条件ですが、経済の回復が遅れているので、学校の再開の時期に追いついていません。
制限解除で人のストレスが解放されたことの良い点があるものの、第二波を警戒しながらウィルスとの共存、経済活動の復興を模索しなければなりません。
日本の場合は、罰金などによる強制力が弱いので、ロックダウン解除前・後の人の移動の変化が欧州と比べて大きくないように予想されますが、またデータが取れたら比較してみたいと思います。これから来る日本の主要都市の解除に向けてフランスの例が参考になれば幸いです。
政府の制限解除の啓蒙VTR 手洗い、対人間距離、
など細かく謳われています。ちゃんと守っている人はあまり見かけません。
それでは À bientôt ! (あ びあんとぅ!)
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