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2020-10-29

フランス 第2回目のロックダウン

 Bonjour 町工場社長の地域密着型ブログへようこそ

コロナウィルスというタグの記事がまた一つ増えてしまいました!
Image par Gerd Altmann de Pixabay 

今日は10月23日
コロナ危機が始まってから、第五回目となるマクロン大統領のテレビ演説があり、

第2回目のロックダウン

が通告されました。

内容は第1回目と異なり、学校は通常通り運営されます。細かい閉鎖の要件はあるものの、第1回目と大きく異なるところです。12月1日までの約1ヶ月間、移動制限、外出制限がかけられます。外出証明や罰金制度が適用されます。この数週間、地域で夜間外出制限がかけられていたのですが、今回は全国規模の政府通達です。

  1. 時系列で数値を見る
  2. 様々な論調
  3. 私見


1.時系列で数値を見る

ここでフランスの一日あたりの確認された感染者数に的を絞って数値を見てみます。
政府発表の数値とグラフ説明 https://dashboard.covid19.data.gouv.fr/

先週末にピークを迎え、50000人を突破しました。一日の感染者数です!!!
最初のロックダウン以降は一定の効果が見えたようですが、夏のバカンス以降、一日の感染者数が増え続けています。
またPCR検査が処方箋無しで無料で開始される時期以降増えていると見えなくもありません。

2.様々な論調

この増加傾向はフランスに限ったことでは無く、欧州および時差をあわせ、世界的な傾向です。
ただしバカンス時期に経済を優先して特別な規制をかけなかったため増えているとも言われています。
検体数の増加に伴い、増えている可能性もあります。

3.私見

第1回目のロックダウンで大統領曰く、「ウィルスとの戦争だ」と表されたとおり、完全封じ込めを狙いました。経済への打撃が大きい事を承知で戦いを挑んだ。しかし成果は限定的で第二波に見舞われてしまった。これは結果であり、一つの収穫であると前向きに捕らえています。
1回目のロックダウンがもう少し経済に優しければと最近になって思うところは有るのですが、前回のスペイン風邪の教訓から第二波の到来は「必然」であったかもしれません。
またフランス文化や習慣、国民性による第二波到来という意見も散見するのですが、これまでの数百年でその習慣によってフランスが経済および健康的な打撃を食らったかというとそうではありません。日本人の感性から見ると、仏の衛生観念やハグの文化など感染拡大を助長しているように見えますが、明確な答えにはたどりつきずらいです。
自分の友人の在住日本人で衛生観念がしっかりしていても実際に感染しています。

また個人的なウィルスや感染に対する意識が、最初のロックダウン解除後、数ヶ月の間に大きく変化しました。全ての感染可能性を排除していた初期と比べて、慣れが大きく影響していますが、容認できる範囲が広がり、行動パターンも変化しました。外出や外食などは以前は考えられなかったのですが!
ロックダウン解除直後のフランス人の行動を弾劾していた自分が、今は同じ行動をしている、と言う場面が幾度となくありました。人間の慣れって恐ろしいですね。

ただしここ数週間で友人や同僚、子供の学校に感染者が出て以降、また感覚が少しだけ戻りました。先の見えない経済の不安を抱えながら、これも大統領の言葉を借りると「ウィルスと共存」しなければならない状況を認識したうえで、今は毅然と対応するだけです。

子供達は以前は未知の恐怖に大きなストレスを抱えていましたが、学校が始まってからは平穏を保っています。
自分は時間の経過と共に経済回復への道筋が見えない不安が大きくのしかかり、以前に増してストレスが増えました。

どこまでも目に見えない難敵ですが、確実に近くまで来ています。いまは感染しないことと、感染後の対応を感染経験者に聞きながら準備しています。

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2020-06-22

フランス ロックダウンからこれまでの歩み 解除フェーズ3

Bonjour 町工場社長の地域密着型ブログへようこそ

今日は6月22日(月)

ロックダウン段階的解除 フェーズ3

を迎えました。
これまでのフランスでのロックダウンに伴う制限と解除の履歴、そして生活の様子を現地目線でお届けします。

これまでの歩み

3月中旬に外出制限や移動制限が開始  過去記事 ロックダウン20200315
  • レストランなど閉店
  • 移動時の証明書持参、罰金制度
  • 55日間

5月11日から段階的解除が開始 フェーズ1 過去記事 フランス ロックダウン解除 2020.5.11
  • 100㎞以内の移動可
  • 小学校開始(衛生管理に基づく限定的再開、登校は親の判断による)

6月2日(火) フェーズ2開始
  • 国内移動制限解除
  • レストランなど制限付きで営業許可

6月15日(月) フェーズ3
  • 欧州シェンゲン内での移動解除
6月22日(月)
  • 小中学校の通常授業開始(基本全員登校 実質バカンスまで2週間 8日だけの登校)
  • 団体スポーツ 一部再開
  • 映画館再開
6/22 感染者数 前日比+373 死者+23(累計約3万人)
https://dashboard.covid19.data.gouv.fr/vue-d-ensemble?location=FRA

日常生活


「ウィルスはいつもそこにいる」と公共放送で謳われていますが、週末の賑わいはもう以前の通りと言った印象です。
先週末に床屋に行きました。マスクや衛生管理はしっかり励行されていました。お客さんに来てもらうためですね。もちろん完全予約制なのですが、人を同時に待たせない工夫や予約のシステムをネットにするなど新しい試みがされていました。ただしどこもコロナ前より値上げがされています。19€から20€へ1€値上げされていました。

外食産業は第二フェーズから持ち帰りが可能でレストランは積極的にテイクアウトを行っていました。我が家もピザ、ケバブをお持ち帰り。まだレストラン自体へは足を運べていません。

大手スーパーへ足を伸ばすようになったのですが、マスク装着率は20%程度。家族全員が付けている家庭もあれば、奥さんだけなど、装着パターンはまちまちです。フランスらしい!

職場では挨拶などはまだ接触を伴わない事が徹底されています。マスク装着率は1割程度です。時々付ける人?もいるのでこちらもまちまちです笑

経済活動

復興が思わしくなく、影響は甚大です。製造大手メーカーでは人員削減が積極的に行われていて、その影響は多くのサプライヤーにまで及んでいます。航空機産業はグローバル市場なので、影響は世界的な沈静化まで続くとみられています。
自動車メーカーもルノーは政府支援を受けたり、大きく揺らいでいます。
バカンス明けまでは大きな進展は見られない模様です。

人の動き Google Mobility Report こちら 

  • レクレーション −25% まだ本格的な復興には至っていません。観光業の打撃は深刻です。
  • 購買活動 −3% ほぼ日常に戻りました。
  • 公園 +41% 正確な理由は分かりませんが、まだ本格的なレジャーまで及べないので、近くの公園や近隣の施設で過ごすという人が多いかと思われます。

  • 公共交通機関 −26% まだ業種によりテレワークが続いているため、交通機関の移動は完全復帰していないです。またマスクの着用義務化など制限もあります。そんな影響からか中古車が売れているというまことしやかな話も聞きました。先週末はシトロエンの正規中古代理店が日曜日にもかかわらず全国的に営業をしていました。(補足→フランスは日曜日は通常ほとんどの店が休みなので、これは画期的なことなんです!)
  • 職場への移動 +14% 表を見て分かるとおり、浮き沈みが激しいです。平均すると−20%程度ではないでしょうか?
  • 近所の散歩 +1% これまで移動できなかった影響でこの数値だけはつねに+でしたが、やっと平常値に戻りました。
もう春から欧州は日が長くなり、夜の10時前まで明るい時間帯が続きます。逆に冬は日照時間が少ないので、暗い時期を過ごします。そんなサイクルから今の季節はバカンス前の心待ちにした心躍る季節なんですね。生活4年目、そのリズムが体に染みつきつつあります。
これからバカンスに向けて心躍る国民性ですが、しっかりマスクを付けているフランス人を見ると「はっ」と気づかされます。流させそうになる自分もいたりするのですが、もう少しマスクを付けて意識を維持したいと思います。

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2020-05-21

フランス ロックダウン解除後の人の動き Googleコミュニティ モビリティ レポート

Bonjour 町工場社長の地域密着型ブログへようこそ

度々ご紹介しているGoogleコミュニティモビリティレポートです。
フランスでは約55日間に及ぶロックダウン状態が、全国的に5月11日(月)からロックダウンの段階的解除がはじまりました。
しかしながら、報道によると、人々の様子はせきを切ったように外出し、ソーシャルディスタンスが守られていないというネガティブな報道が多いです。パリ セーヌ川沿いでも人があふれ、この様子を見た首相が怒り心頭でパリ市長にパトロールの緊急要請を出したとか!
5月11日(月)のセーヌ川の様子
その怒り、すっごく分かります笑
自分の近所でも、もうコロナがどこかに行ってしまったかのように、騒ぐ人、友人同士で集まる、マスク無しで話す、言い出したらきりが無いですが、いわゆるロックダウン前の状態に戻ってしまった人が多く見られました。

段階的解除がはじまっただけで、基本姿勢は

Restez à la maison→Reste prudent
ちゃんと家にいてね→慎重に留まってね!

という、いわゆる今までの基本姿勢を尊重しながら段階的解除をしましょう、ってこと。
まぁこういう人たちが目立ってしまうのは報道されやすいからですが、実際には人の動きはどのように変化しているのでしょう。度々利用しているGoogle のコミュニティモビリティレポートを利用して数値を使い、

ロックダウン解除「前」と「後」

で比較してみます。

前回の「日本との比較」では、フランスと比べ、日本の緩さ(人の移動の多さ)が目立ちました。とはいってもフランスの場合は罰金などの拘束力が強いため、また外出証明書を都度持参しなければならず、家に留まるを得ませんでした。今回は純粋にフランスだけで、解除前と解除後の比較です。

  • レクレーション ショッピングセンター、映画館、レストラン、カフェなどに関する移動は、5/11の制限解除後も、まだほとんど制限が延長されているため、増加率は3割ほど。
  • 購買 生活必需品の食料などの購買のための移動  制限当初は買いだめがあり、その後緊張感の中で外出自粛による買い控えが心理的にあり、その後精神的に落ち着いたのか定期的に買い物には出かける状態であったというのが個人的な感想です。解除後は外出証明書などの持参が義務化で無くなったので、コロナ前と比べて10%の減少だけでに留まっている。自分の偵察では、これまで閉められていた「日曜大工店、スポーツショップ、園芸店、家電量販店」などが再開し、平日から激混みでした。
    上下の波は多め
  • 公園 こちらも外出制限に加え、閉鎖されていたので入ることもできず、制限中は8割前後の減少でしたが、3割減まで回復
  • 仕事場 制限中と変わらず半分以下の移動、企業の活動は開始されているが、受注が戻らないため、社員半分ほどが未だ休んでいると言う状況、政府の休業補償も約一ヶ月延長されました。
    週末、祝日の影響で波があるものの、約半数のいう結果
  • 自宅付近 平時に比べて「+」の数値、これはコロナ前に比べて移動が増えたことを表します。制限中は半径1キロ以内という移動制限があったので近所をふらつくしか無かったのでコロナ前と比べて増加です。解除後は制限が無くなりました。しかし自宅待機のままの人が多いので、自宅付近の散歩や買い物が多いのではないでしょうか?遠出をせず、まだ危機感が強い人がいるという現れか?


購買に関しては人の移動がコロナ前に近づいている印象ですが、企業活動は依然として半分以下の状態が続いています。世界規模ではまだロックダウン解除になっていない地域もあり、国と国との移動も制限が多いです。
フランスは小学校は7月からバカンスがはじまります。小学校は解除とほぼ同時に再開されたものの、あと約一ヶ月後にバカンスが控え、再開しない学校もある中、再開しても登校させない家庭もあります。共働きが普通であるフランスでは、企業活動を開始するために学校の再開が必要条件ですが、経済の回復が遅れているので、学校の再開の時期に追いついていません。

制限解除で人のストレスが解放されたことの良い点があるものの、第二波を警戒しながらウィルスとの共存、経済活動の復興を模索しなければなりません。

日本の場合は、罰金などによる強制力が弱いので、ロックダウン解除前・後の人の移動の変化が欧州と比べて大きくないように予想されますが、またデータが取れたら比較してみたいと思います。これから来る日本の主要都市の解除に向けてフランスの例が参考になれば幸いです。


政府の制限解除の啓蒙VTR 手洗い、対人間距離、
など細かく謳われています。ちゃんと守っている人はあまり見かけません。

それでは À bientôt ! (あ びあんとぅ!)

2020-05-10

フランス ロックダウン解除を直前に控えて!

Bonjour 町工場社長の地域密着型ブログへようこそ

5月11日(月)のロックダウンの段階的解除を前にして、今回は地域密着型!

自分の身の周りの環境の変化

についてお伝えします。


  1. 自宅近辺での様子の変化
  2. 感染リスクの増大
  3. ウィルスとの共存
  4. 学校の再開
  5. 最後に



1.自宅近辺での様子の変化

Saint Etienne(サンテティエンヌ)という地方都市です。
5月10日(日)の12時まではConfinement(外出規制)いわゆるロックダウン状態なので、外出に対するルール(外出証明書の持参、1時間のみ、半径1キロ以内に限り行動可)が続いています。(解除の内容は前回記事参照コチラ
しかし今週末は金曜日から3連休だったこともあり、また陽気もよく、皆これまで「55日間」 我慢してきましたが、この週末からもうコロナがどこかへ行ってしまった様な雰囲気でこれまでの空気が一変しました。

いつものように住宅街の中を1時間の散歩をすると、広場では高校生ぐらいでしょうか?10人以上集まってサッカーや遊びに興じています。
ロックダウンの段階的解除以降も団体スポーツはまだ禁止です。

住宅街を歩くと、友人?親戚?子連れで家に遊びに来ている様子がうかがえたり、庭のプールに集う7−8人程度、どう見ても一家族ではないですね。みんな集まっちゃってます!楽しそうです!!

解除以降は証明書の持参が必要なく、1時間以上でも外出できますが、ソーシャルディスタンスの確保はひきつづき謳われています。

2.感染リスクの増大

5月11日(月)以降、レストランなどを除く一般の店舗の営業が制限付きではあるが開始されるので、もちろん人同士の接触の機会は増え、ウィルスがどのくらい減ったのか確認出来ない状況の中で「ウィルスが運ばれるリスク」というのはこれまでよりも増えると言わざるを得ません。その中でウィルスと共存する道を探さなければなりません。

3.ウィルスとの共存

死者数や感染者数が減った事により今回の段階的解除が発表されたのであるが、解除後に何が基準でどう行動するべきか、まだ悩ましいです。できるだけこれまでの制限を尊重するという考え方が基準であるべきだと考えます。
自分もこれまでロックダウンの中で仕事を続けて他の社員との接触が多くありましたが、みな移動制限の効果で第三者との触れ合う機会が限定されていたはずです。今後はそれが増え、その状態で職場に集うことになります。

4.学校の再開

学校からの事前の説明がありました。それによると、準備は万全に感じるが、「これ本当に全員ができるの?」といえそうな難易度の高い項目が多いです。
子供は感染があっても重篤化がほとんど無いと言われているが、ウィルスを運搬する可能性はあり、また学校側の衛生管理がどれほど徹底できるのか、はじまってみないと分かりません。普段のインフルも子供がしっかり運んできて親が羅漢するといった事はよくあるので(^_^;
地域や学校の規模によって、そういった予防活動の完遂が出来ないと判断した学校は再開が遅れる、または9月からという判断になったことと察します。

5.最後に

個人的な所感ですが、これまでのフランス政府の対応は正しい方向性が貫かれたと思います。おかげで欧州隣国に比べて感染者、死者数はいまのところ低く押さえ込まれています。
しかし段階的解除に対する、大統領も言った「ウィルスとの共存」は政府の号令ではなく“一人一人の意識”に掛かる部分が大きいと感じます。これからフランス国民が現状の危機意識をどのように感じ、行動するのか、見守っていきたいと思います。

この週末の様子の変化を感じた限りでは、 暖かくなった陽気   と  バカンス  に向かって、開放的なラテン魂  が危機意識を邪魔しなければ良いと危惧しているところです。

お店を応援するとか、レストランのお持ち帰りをこれまで以上に積極的にやるなど、環境は整い始めたと思います。ですが上半身裸で仲間と集まってギャーギャーやるのはもう少し待ってくれ!っと心の中で叫ぶ。

それでは À bientôt ! (あ びあんとぅ!)

2020-05-08

フランス ロックダウン解除 2020.5.11

Bonjour 町工場社長の地域密着型ブログへようこそ



これまで日本の状況を見守りつつ、フランス ロックダウンの中で約2ヶ月生活してきました。人が多く死ぬと言うことになれてしまった自分がそこにいて、どういう時代に生きているのか改めて考えさせられます。数十人が死ぬテロ事件が起きればそれは大惨事だったのに、いまや300〜400人が毎日死んでいく報道がされる中でこの現状をどう理解すれば良いのか、自分自身、非常に苦しみます。
5月6日(水)の時点で一日の死者数278人(老人介護施設で100名程度)、これまでの合計が25,809人。日本に比べれば桁違いな数字ですが、状況は改善された傾向にあります。


そんな中でいよいよフランスは
5月11日(月)よりロックダウンが解除
になります。解除といっても地域間で差があり、段階的な解除がはじまるという開始日となります。

かいつまんで説明します。

  1. 感染状況 地域マップ
  2. 外出証明書の携帯が不要
  3. 学校の再開
  4. 100kmの制限付き移動許可
  5. レストラン・カフェ関連はなお開店できず


細かい制限はまだ沢山有るのですが、大きい流れは以上のようになります。



1.感染状況地域マップ


政府は色つきのMAPを用意して、その地域の状況を赤色と緑色に分けて区分けします。
フランス政府データ 発表のサイトより
パリを含む北側が赤色で感染者数、死者数の多い地域です。緑色の地域は赤に比べると改善が見られている地域となります。


2.外出証明書の携帯が不要



これまで全ての外出時には証明書が必要でした。一日に一回許された1㎞圏内の散歩にも証明書が必要でした。違反すると数百ユーロの罰金です。再犯が続くと禁固刑まで発展します。自分は毎日仕事に出ていましたが、毎日この証明書を記入して外出します。二度ほど検問に会い、会社が発行する証明書と自分で作成する証明書をガラス窓越しに見せて通過しました。


3.学校の再開


5月11日(月)が解禁日となりましたが、学校により開始日が異なる、または開始しない判断をする学校もあります。夏休み明け以降(9月)の再開を宣言するところもあります。感染リスクと学校生活を秤にかけてどちらを取るのか?開始を決定した学校でも親の判断で登校しない子供も多く出るようです。
開始の判断をした学校では、15人以下の授業体制で隔日、または午前と午後で時差登校をするなど工夫はされています。学校から、登校の可否について親の判断を要求されたので、自分は登校するという決定をしましたが、自分もまだ半信半疑です。他の親たちがどういう判断をするのか興味深いところです。全国的には半数以上が反対を示しているという報道もあります。


4.100kmの制限付き移動許可


移動に関しては100kmの移動が許可され、または所属の県内限定の移動が許可されます。公共交通機関利用の場合はマスクが義務化となります。違反すると罰金です。


5.レストラン・カフェ関連はなお開店できず


5月末に営業再開の詳細が発表されるようですが、一番最初に制限を受けたレストラン関連が最後まで影響を受け続ける形となりそうです。





冒頭で紹介した政府データによるサイトですが、

  • マップ
  • 死者数、感染者数推移
  • テスト数とその結果
  • 感染者、重傷者の移動経路と数
  • 国が企業に対する保証の金額や業種、失業者扱いの労働者数
等が見て取れます。非常に見やすいです。これまで感染者数が主要だった指標が今後は検査数、企業保証へとシフトしていくのではないでしょうか?
100年前のスペイン風邪は終息まで2年近く掛かったと言われているようです。まだ数ヶ月しか経っていないんですね。ウィルスの変質がもし起こるとするならば、できるだけ短期間に集中して自粛を行い、変質が現れる前に終息したいところですが、経済、学校とのバランスは難しい判断となります。
今回の危機がどれほどの期間で終息を迎えられるのか、こんな話をするのはまだ時期尚早と言い聞かせて、我々の意識と行動を今一度見つめ直したいと思います。

日本とは規模感が違いますが、このような状況下でのフランスのロックダウン解除でした。日本との比較は単純には出来ませんが、コロナ先進国として引き続き状況を発信して参ります。



最後に


丁度一ヶ月前のブログでお伝えした人の移動に関するGoogleのMobility Reportを現在と比較してみます。
(レポートの見方→コロナ前平常時を100%としたときの移動の回数の増減の指標)
人の移動が日仏でどのくらい変わったのか指標としてお伝えします。


※日本の現状の方がフランスの一ヶ月前と比べても人の移動は断然多い。やはり拘束力がない、罰金がないという違いは大きいと感じます。



🇫🇷フランス全国 最新の詳細レポートはこちら
🇯🇵日本 最新の詳細レポート各都道府県データはこちら
移動が増えたか減ったかわかりやすい指標です



それでは。 À bientôt ! あ びあんとぅ!

2020-04-08

ロックダウン、Googleによる視覚化された人の移動

Bonjour 町工場社長の地域密着型ブログへようこそ


フランスで移動制限がかけられてから3週間が経ちました。日本も昨晩から主要7都市で緊急事態宣言が発令されました。(生活目線で解説 フランス移動制限


フランスでは3週間が経過してようやく感染者数、死亡者数の増加傾向が減少し始めました。しかしパリではこれまで許されていた「1時間の散歩や運動」が10h-19hまで禁止になりました。まだ大都市では予断を許さない状況で有ることが伺われます。人が多いところではそれだけルールが守られていないということになるのでしょうか。



France3から


この人の動きをGoogleがデータ化し、視覚化できるフーマットが公開されています。
自宅に待機して頑張っていても、全体の動きは見えにくいですが、これを平常時と比較した数値で見えるので、どれだけ移動が減ったかの指針になり得ます。世界中のデータが確認出来ます!


COVID-19 Community Mobility Reports世界中の最新データ

これまでの日常の移動データを基準として、多い場合は「+」プラス、少ない場合は「−」マイナス表示されます。
以下は3月29日の各種データです。

🇫🇷フランス全国 最新の詳細レポートはこちら



  • レクレーション 88%減少
  • 購買 72%減少
  • 公園 82%減少
  • 公共交通機関 87%減少
  • 仕事場 56%減少
  • 自宅付近 18%増加


全体的にだいぶ移動が抑えられている印象です。
職場付近の移動数から会社のおおよその稼働率が伺えますね。
フランスは公園など市が管轄する場所は全て閉鎖されています。その効果が出ています。
自宅付近 18%増加→🇫🇷政府の指定した外出条件「一日1時間一キロ以内の散歩が可」が効いていると思われます!

🇫🇷レクレーションの移動は88%減少、購買の移動が72%減少、公園へは82%減少

🇫🇷公共交通機関87%減少、仕事場への移動56%減少、自宅付近の移動は18%増加



次に

🇯🇵日本全国 最新の詳細レポート各都道府県データはこちら



  • レクレーション 26%減少
  • 購買 7%減少
  • 公園 25%減少
  • 公共交通機関 41%減少
  • 仕事場 9%減少
  • 自宅付近 7%増加


全体的に減ってはいますが、フランスのそれまでにはまだ至ってません。
職場付近の減少率が少ないのは稼働率、テレワークが少ないと言われる報道の通りです。
レクレーションはこれからぐっと減ることになるでしょう!

🇯🇵 レクレーション 26%減少 、購買 7%減少、公園 25%減少

🇯🇵 公共交通機関 41%減少、仕事場 9%減少、自宅付近 7%増加

日本は”フランスの罰金などにみるような強制力”はないですが、本格的な移動制限がこれから行われるので、欧州の数値が目安になるはずです。

フランスは陽気が良くなって、ミニバカンスも始まっています。どうか今までの頑張りが水に流れないよう、もう一息頑張ってほしいものです。


各国、各都市ごとのデータも見られるので、詳しく知りたい方はサイトを訪問してみて下さい。

それでは。 À bientôt ! あ びあんとぅ!

2020-04-04

フランス私生活から見たロックダウン、外出制限

Bonjour 町工場社長の地域密着型ブログへようこそ

今回はフランスで外出制限3週間を経過して、フランスの自分の日常生活の様子をお届けします。
日本がこれから同じ状況になるかどうかは分かりませんが、残念ながらCovid-19の先進国になってしまったフランス🇫🇷の自分の経験が、日本でこれから来るかもしれない外出制限のイメージに繋がればと思います。




  1. 外出制限
  2. 買い出し
  3. 散歩
  4. 自宅内での生活
  5. 生活一般





1.外出制限


政府の指定条項に基づき以下の条件で外出できます。
  • やむを得ない仕事での移動(テレワークができない仕事、医療従事者他)
  • 生活のための買い物
  • 健康のための散歩、犬の散歩、軽い運動 一時間以内、半径一キロ以内
  • 家族の面倒や人の援助をするための移動
  • 公共機関からの呼び出し
  • 公共活動への参加

かならず上記を証明する直筆のサインを書いた証明書(紙)に外出時間を書いて持参します。警察の検査があったときにこれを提示します。違反した場合は、罰金です。初犯は35€、でしたが135まで値上がり、今はいくらかな?あまりにも違反が多かったので、常に値上がりしていました。最高は禁固刑。

仕事場に行くときは会社が発行した証明書(仕事の必要性が掛かれた証書)も併せて持参します。
職場ではマスクの装着率ほぼゼロ。人間距離一メートル以上は保つものの、普通に会話がされています。なので仕事場から帰ったら、すぐに風呂に直行です。着ていたものは一応隔離しています。
庭がある家はいいですね。みな家庭菜園や庭の維持に精を出しているのが印象的です。自分はマンションなので、バルコニーでプランターをいじっています。しかし店舗が閉まっているので必要な物を買いに行けないため、プランターいじりも限度があります。残念。。
子供達は時々マンションのガレージの共用部で自転車遊び、ここは囲われているので警察の検査も及ばないと思います。日陰なので寒くて永く居れないんですがね(^_^;
夜間外出禁止と言うところも都市によってあるようですが、自分の周りではまだ聞いていません。

2.買い出し

制限当初はスーパーなど品物が品薄になっていた時期がありましたが、自分の印象では4〜5日で収まった印象です。自分は特に買いだめはしませんでしたが、落ち着いてから買い物に行って用は足りてました。

現在、食料の買い出しは週に二度ほどにして、必需品をまとめて買います。マスクは装着、手袋はしてません。。
スーパーマーケットの場合と、地元の商店の場合があります。

スーパーマーケットは人の出入りが多いので、開店時の「人の動きの少ない」ところを狙って行くようにしています。しかし同じ考えの人が多いようで朝は結構にぎわっています。隔離生活当初は開店前から長蛇の列ができていたらしいですが、自分は並ぶことがリスクにつながると思い避けました。

ショッピングカートは多くの人が触るのでできるだけ取っ手部分は触らないようにします。店舗からの通達で家族連れなど複数人での買い物は原則禁止なので一人で行きます。滞在時間を少なくしたいのでメモを片手に必要数だけ買って帰宅します。
レジは透明のプラスティックがおかれ、飛沫を遮ります。買い物客のマスク装着率は20%程度です。フランスとしては大きな進歩ですが、この値では残念ながら効果が無いですね。



地元の小売り商店の場合、空間が狭い、客同士がマスク未装着で会話していることなどがあり、必要以外は利用を控えることにしました。
高齢者は情報が少ないようで危機意識や感染リスクに関して寛容な印象です。大声で店員と話そうとして煙たがられていたりしています。


出店数は5件だけ、入場規制がひかれ、警察の監視下で買い物
4月4日マルシェの様子


週二回のマルシェ(朝市)はフランスでは自治体ごとに普及が進んでいるのですが、これも全国的に原則禁止になりました。しかし地方の町などで生活に欠かせない場合は市長の権限で営業を認可できます。自分の地元は警察出動の元、厳戒態勢で再開されましたが、客の感染リスクの意識がどうしても日本人から見ると低いように感じ、そのリスクが多いという判断で行くのをやめにしました。毎週活用していたので残念です。

買ってきたものは、すべてアルコールで除菌します。これも結構ストレスです。

大手スーパーは、ネットで注文して、ドライブスルーで引き取るシステムがあるので今後活用を検討中です!


3.散歩


一日、または二日に一回は散歩をします。1時間、1キロ以内という制限付きなので、近所を散歩するのが限度です。一般の公園は閉鎖されています。住宅街を散歩しますが、幸い近所に芝生の空き地があるのでそこまで行って軽い運動です。やはりまばらではありますが人が来るので、お互いに間隔をあけるようにします。人との接触がないので、マスクは付けません。
帰宅後は手洗い、うがい!マンションなので、共有部の扉やボタンを触るため、自宅ドアノブなどを消毒です。。


4.自宅内での生活

掃除は普通にしますが、掃除機のフィルターはこまめに洗うようにしています。
自分は仕事場へ行って保菌リスクが高いので、軽い隔離状態、一人で寝ています。(笑)
マスクはもうだいぶ前から手に入らないので、会社の支給品3枚を使いまわしています。

携帯電話は一番触るので、こまめにアルコール水でフキフキ消毒、これもストレス。

子供は学校からほぼ毎日宿題が出ます。メールで送られてくるこの量が多いのなんの!小4レベルになると、一日机に向かっているような量です。これはストレスですね。併せて自分の場合は夫婦日本人家庭でフランス語が堪能なわけではないので、例えば歴史の宿題で子供が分からないと言うとそりゃ携帯と辞書片手に大騒動に発展します。フランスの歴史を親がネットで調べてから子供に伝える・・果てしないスパイラル(^_^; 本来学校で教わることを、知識の無い人間が教えるってどのくらい大変か?子供もストレスですが、親も同じです。併せて子供達は常に学校でフランス語環境にいたわけですが、それが一切なくなるので、できるだけフランス語のテレビを見せるようにしています。


5.生活一般

外出していないので、周りの状況はなかなか見えないのですが、知る範囲で以下の通りです。

食料品
食料品に関する商店は営業しているが、営業時間の短縮、売り場面積、取り扱いの縮小などが見られます。
園芸店は、ペット関連部門(餌販売など)は動いているが、園芸部門は閉鎖、現金支払いができず、カードのみと言った具合。

食料品以外の店舗
よく行くスポーツショップ、日曜大工店、営業見合わせ
レストランももちろん見合わせ、テイクアウトは出来るようですが、まだ利用していません。

銀行
こちらも窓口業務を限定で行っているが営業時間または営業日の縮小。機械は使えます。

公共施設
公園、スポーツ施設は閉鎖

物流
欲しいものをネットで購入しようとしますが、物流も縮小されているので、遅れる、または届かないなど、混乱しています。ネットでベースミニアンプを注文して本体は届くも、別売りのACアダプターは3週間待てども届かず。こんな感じです。

病院
地元の一般医は診療所閉鎖なので、非常時は公共の電話診療を受診します。

子供達は体を動かしたくでうずうずしていますが、病院に行かなければならない怪我をされると感染リスク含め一大事になるので、「あれダメ、これダメ」と言わなければならず、言う方も言われる方もストレスです。

公共料金
支払いを遅らせられるなどの配慮があります。
会社として支払う社会保険、税金の支払いも同様の措置です。

学校
基本閉鎖されていますが、医療従事者などの子供達は預かってくれます。なので教師も彼らのために交代で出勤しています。


今こうして日常生活が送れるのは、そのバックグラウンドを支えてくれている人たちの労働のおかげです。政府、行政、医療、物流、小売り その他。感謝しかありません。


自分の生活環境目線での小さい範囲の話となりましたが、3週間経つと目に見えないストレスが少しずつ押し寄せてきます。日常生活のストレス、生理的なストレス、将来に対する不安のストレス。

菌やストレスにおびえるのではなく、この菌との戦いに勝てるよう、知恵 を絞って対応していきたいと思います!

それでは。 À bientôt ! あ びあんとぅ!

2020-03-24

コロナウィルス202003-23

Bonjour 町工場社長の地域密着型ブログへようこそ


コロナウィルス20200318に続き、続報です。



今回、こうしてブログを書くに当たり、フランスの現状を知ってもらい、日本のこれからに生かしていただきたいという思いがあります。






フランスは、先行して感染者を増やした「🇮🇹イタリア」の10日後を追いかけている状況で、その最悪のシナリオは避けたいという思いを皆持っています。




前回ブログで17日計測をお伝えしました。日本との比較はもはや無駄なので取りやめます。




しかしながら、危機意識の持ち方が人により千差万別、3月17日(火)から始まった外出禁止令に対し、それを誠実に守ろうとしていない人が余りもにも多いのが現状です。イタリアも同様の傾向があります。

医療崩壊が置きるのではと恐れられているフランスの現状、医師や看護師達が懸命に頑張ってくれている事が連日報道されている。感染者が一人でも減ることがその助けに直結するにもかかわらず、外出禁止令の制定事項を守らない?守れない人が多く、この1週間で罰金が35€から135€へ上げられたり、最悪禁固刑まで設定されてる始末。

夜の八時に医療従事者たちへの感謝の意思表示で、外に向かって皆が拍手を送ります。イタリアから来たアクションですが、医療現場で従事する人たちの願いは、「拍手よりも外出禁止令の遵守が先」、と言われる始末。


日本の場合はどうでしょう?報道でしか感じられないので、外からの意見になります。一時は危険地域扱いでしたが、欧州の現状と比較してしまうので、いまは平穏を取り戻したように見えています。これから感染が増える可能性は秘めていると思います。

ある一線を越えるまでは日本も欧州も行動の差はあまりないように思います。一線を越え、日常生活が思うように出来なくなったときから始まる行動の差。


キーワード 連帯感(Solidarité)




日本の連帯感


日本はまだ一線を越えていませんが、連帯意識は強く、ルールから外れると弾劾されるので、自分の歩調を周囲に合わせる→一線を越えたときには非常に有効


フランスの連帯感


連帯感はもちろんあるが、それと自分の身の回りのルールを守るかどうかは別問題!

足して二で割って、おいしいエキスだけ抽出できれば一番良いのですが、一番難しいですね。

外出制限が行われていると同時に、経済を回さなければいけない状況になりつつあります。
長期戦が予想される中、外出制限だけでは経済が死んでしまいます。感染予防措置を十分に行いながら経済を回すソリューションが今後求められます。フランスが良いお手本になりたいところですが、どうでしょうか?日本はすでに予防意識が(世界に比べてめちゃめちゃ)高いので問題ないように感じてしまうのですがどうなんでしょうか?

自分も今週から厳戒体制下で仕事開始です。


それでは。 À bientôt ! あ びあんとぅ!