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2020-10-29

フランス 第2回目のロックダウン

 Bonjour 町工場社長の地域密着型ブログへようこそ

コロナウィルスというタグの記事がまた一つ増えてしまいました!
Image par Gerd Altmann de Pixabay 

今日は10月23日
コロナ危機が始まってから、第五回目となるマクロン大統領のテレビ演説があり、

第2回目のロックダウン

が通告されました。

内容は第1回目と異なり、学校は通常通り運営されます。細かい閉鎖の要件はあるものの、第1回目と大きく異なるところです。12月1日までの約1ヶ月間、移動制限、外出制限がかけられます。外出証明や罰金制度が適用されます。この数週間、地域で夜間外出制限がかけられていたのですが、今回は全国規模の政府通達です。

  1. 時系列で数値を見る
  2. 様々な論調
  3. 私見


1.時系列で数値を見る

ここでフランスの一日あたりの確認された感染者数に的を絞って数値を見てみます。
政府発表の数値とグラフ説明 https://dashboard.covid19.data.gouv.fr/

先週末にピークを迎え、50000人を突破しました。一日の感染者数です!!!
最初のロックダウン以降は一定の効果が見えたようですが、夏のバカンス以降、一日の感染者数が増え続けています。
またPCR検査が処方箋無しで無料で開始される時期以降増えていると見えなくもありません。

2.様々な論調

この増加傾向はフランスに限ったことでは無く、欧州および時差をあわせ、世界的な傾向です。
ただしバカンス時期に経済を優先して特別な規制をかけなかったため増えているとも言われています。
検体数の増加に伴い、増えている可能性もあります。

3.私見

第1回目のロックダウンで大統領曰く、「ウィルスとの戦争だ」と表されたとおり、完全封じ込めを狙いました。経済への打撃が大きい事を承知で戦いを挑んだ。しかし成果は限定的で第二波に見舞われてしまった。これは結果であり、一つの収穫であると前向きに捕らえています。
1回目のロックダウンがもう少し経済に優しければと最近になって思うところは有るのですが、前回のスペイン風邪の教訓から第二波の到来は「必然」であったかもしれません。
またフランス文化や習慣、国民性による第二波到来という意見も散見するのですが、これまでの数百年でその習慣によってフランスが経済および健康的な打撃を食らったかというとそうではありません。日本人の感性から見ると、仏の衛生観念やハグの文化など感染拡大を助長しているように見えますが、明確な答えにはたどりつきずらいです。
自分の友人の在住日本人で衛生観念がしっかりしていても実際に感染しています。

また個人的なウィルスや感染に対する意識が、最初のロックダウン解除後、数ヶ月の間に大きく変化しました。全ての感染可能性を排除していた初期と比べて、慣れが大きく影響していますが、容認できる範囲が広がり、行動パターンも変化しました。外出や外食などは以前は考えられなかったのですが!
ロックダウン解除直後のフランス人の行動を弾劾していた自分が、今は同じ行動をしている、と言う場面が幾度となくありました。人間の慣れって恐ろしいですね。

ただしここ数週間で友人や同僚、子供の学校に感染者が出て以降、また感覚が少しだけ戻りました。先の見えない経済の不安を抱えながら、これも大統領の言葉を借りると「ウィルスと共存」しなければならない状況を認識したうえで、今は毅然と対応するだけです。

子供達は以前は未知の恐怖に大きなストレスを抱えていましたが、学校が始まってからは平穏を保っています。
自分は時間の経過と共に経済回復への道筋が見えない不安が大きくのしかかり、以前に増してストレスが増えました。

どこまでも目に見えない難敵ですが、確実に近くまで来ています。いまは感染しないことと、感染後の対応を感染経験者に聞きながら準備しています。

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2020-05-21

フランス ロックダウン解除後の人の動き Googleコミュニティ モビリティ レポート

Bonjour 町工場社長の地域密着型ブログへようこそ

度々ご紹介しているGoogleコミュニティモビリティレポートです。
フランスでは約55日間に及ぶロックダウン状態が、全国的に5月11日(月)からロックダウンの段階的解除がはじまりました。
しかしながら、報道によると、人々の様子はせきを切ったように外出し、ソーシャルディスタンスが守られていないというネガティブな報道が多いです。パリ セーヌ川沿いでも人があふれ、この様子を見た首相が怒り心頭でパリ市長にパトロールの緊急要請を出したとか!
5月11日(月)のセーヌ川の様子
その怒り、すっごく分かります笑
自分の近所でも、もうコロナがどこかに行ってしまったかのように、騒ぐ人、友人同士で集まる、マスク無しで話す、言い出したらきりが無いですが、いわゆるロックダウン前の状態に戻ってしまった人が多く見られました。

段階的解除がはじまっただけで、基本姿勢は

Restez à la maison→Reste prudent
ちゃんと家にいてね→慎重に留まってね!

という、いわゆる今までの基本姿勢を尊重しながら段階的解除をしましょう、ってこと。
まぁこういう人たちが目立ってしまうのは報道されやすいからですが、実際には人の動きはどのように変化しているのでしょう。度々利用しているGoogle のコミュニティモビリティレポートを利用して数値を使い、

ロックダウン解除「前」と「後」

で比較してみます。

前回の「日本との比較」では、フランスと比べ、日本の緩さ(人の移動の多さ)が目立ちました。とはいってもフランスの場合は罰金などの拘束力が強いため、また外出証明書を都度持参しなければならず、家に留まるを得ませんでした。今回は純粋にフランスだけで、解除前と解除後の比較です。

  • レクレーション ショッピングセンター、映画館、レストラン、カフェなどに関する移動は、5/11の制限解除後も、まだほとんど制限が延長されているため、増加率は3割ほど。
  • 購買 生活必需品の食料などの購買のための移動  制限当初は買いだめがあり、その後緊張感の中で外出自粛による買い控えが心理的にあり、その後精神的に落ち着いたのか定期的に買い物には出かける状態であったというのが個人的な感想です。解除後は外出証明書などの持参が義務化で無くなったので、コロナ前と比べて10%の減少だけでに留まっている。自分の偵察では、これまで閉められていた「日曜大工店、スポーツショップ、園芸店、家電量販店」などが再開し、平日から激混みでした。
    上下の波は多め
  • 公園 こちらも外出制限に加え、閉鎖されていたので入ることもできず、制限中は8割前後の減少でしたが、3割減まで回復
  • 仕事場 制限中と変わらず半分以下の移動、企業の活動は開始されているが、受注が戻らないため、社員半分ほどが未だ休んでいると言う状況、政府の休業補償も約一ヶ月延長されました。
    週末、祝日の影響で波があるものの、約半数のいう結果
  • 自宅付近 平時に比べて「+」の数値、これはコロナ前に比べて移動が増えたことを表します。制限中は半径1キロ以内という移動制限があったので近所をふらつくしか無かったのでコロナ前と比べて増加です。解除後は制限が無くなりました。しかし自宅待機のままの人が多いので、自宅付近の散歩や買い物が多いのではないでしょうか?遠出をせず、まだ危機感が強い人がいるという現れか?


購買に関しては人の移動がコロナ前に近づいている印象ですが、企業活動は依然として半分以下の状態が続いています。世界規模ではまだロックダウン解除になっていない地域もあり、国と国との移動も制限が多いです。
フランスは小学校は7月からバカンスがはじまります。小学校は解除とほぼ同時に再開されたものの、あと約一ヶ月後にバカンスが控え、再開しない学校もある中、再開しても登校させない家庭もあります。共働きが普通であるフランスでは、企業活動を開始するために学校の再開が必要条件ですが、経済の回復が遅れているので、学校の再開の時期に追いついていません。

制限解除で人のストレスが解放されたことの良い点があるものの、第二波を警戒しながらウィルスとの共存、経済活動の復興を模索しなければなりません。

日本の場合は、罰金などによる強制力が弱いので、ロックダウン解除前・後の人の移動の変化が欧州と比べて大きくないように予想されますが、またデータが取れたら比較してみたいと思います。これから来る日本の主要都市の解除に向けてフランスの例が参考になれば幸いです。


政府の制限解除の啓蒙VTR 手洗い、対人間距離、
など細かく謳われています。ちゃんと守っている人はあまり見かけません。

それでは À bientôt ! (あ びあんとぅ!)