2022-12-22

人種差別に対する距離感「外国人のお客様へ "これ"禁止」

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https://togetter.com/li/1981052

フランス サンテティエンヌ近郊からこんにちは
今回は題名の通り、人種差別についてです。




非常にセンシティブな内容ですが、以下では人種差別を掘り下げるのではなく、日本とフランスでの差別に対する「距離感」について話します。
人種差別がなくなることが一般的には望ましいのですが、おそらく無くなりません。その前提で外国との「距離感」の違いを知ることは差別とはなんぞや?の歩み寄る一歩かと考えます。

美しくない写真を冒頭にアップしたのは残念なのですが、これはツイッターにアップされた日本のコンビニで貼られた一枚の写真です。
この写真の内容については今回は言及しません。
この写真のテーマを「日本における人種差別」と解釈したので使いました。
私自身は人種差別(RACISM)にはいろんな形があることを外国に住むことで知りました。


このコンビニの写真がどのような差別に繋がるかは皆さんの判断にお任せするとして、フランスにいる自分がこれを見て一番に感じるのは、日本において「外国人との距離がおおきいなぁ」ということです。写真に対する第三者の意見も含めて同様に感じます。

https://togetter.com/li/1981052
外国人向けの親切な例ですが、便利と距離感は比例しないことがよく分かります


自分が子供の頃は、地元で外国人を目にすることなんて多くなかったですね。東京近郊のベットタウンでしたが、小学校のころはひと学年10クラスのマンモス学校に一人二人いたか?いないか?程度の記憶です。ただし見かけたときは「ガイジン」と本人には届かないところで口にだして、子供ながらに遠目で差別していたように思います。

大学、職場共に都内だったので、日常で外国人を見かける事は多かったですが、見かけたり電車で近くになると「普通にしていよう」と意識過剰になるところが、今思うと普通で無かったです(^_^;
そんな世代です。


こちらフランスに来てから感じること。
地方都市なので、パリや大都市のように多様な外国人が多いわけではないのです。
その地方都市ではアジア人は希有なので、スーパーマーケットなどで幼児(買い物カーゴに座らされているような子供たち)に出くわすと、よく「ガン見」されます。これは差別とは異なりますが、子供は正直で差別という概念がなくても、「見なれない顔(人種)」を「なんだこれ?」といわんばかりに無言でじっーと見る(観察する)わけです笑




日本にいたときは差別する側、そしてフランスに来ると差別される側(マイノリティ)、まったく逆の立場になります。

立場が変わると必然的に差別に対する考え方も変わります。
フランスではアジア人=中国人 が一般的なので、通りがかりの赤の他人に「中国人!」とののしられることがあります。自分が見えないところではどのように差別されているかは分かりかねますが、想像に難くないですね。個人的には中国人がののしる対象になっていることも違和感を感じますが、残念ながら代名詞となってしまっています。



<地方都市なので、パリや大都市のように多様な外国人が多いわけではない>と先述しましたが、フランスは移民が多い国です。過去の移民政策も影響していて、移民のおかげで先進7カ国の中で唯一人口が増えているという時期もありました。
かつてフランスの植民地だった北アフリカのイスラム圏からのモロッコ、アルジェリア、チュニジアの移民は特に多いです。

サンテティエンヌ炭鉱博物館


自分の住む街は炭鉱で栄えた歴史があって、低賃金の労働者、いわゆる外国からの移民が集まった歴史もあるのでその2世や3世が多く暮らし続けています。
初代の移民というのはフランス社会にアダプトしようと、自国の文化的、宗教的な制約をフランス社会にアダプトさせようと努力するのですが、2世、3世は親から受け継いだ自国の文化を尊重しようとする意識が強く、フランスで問題になることが多いです。イスラム教のヒジャブ(女性が頭を覆う洋装)も初代以外の世代が強行していて問題になっています。
自国の文化を尊重することは悪いことではないのですが、それを盾にしてフランス社会に意見をするのは個人的にどうか?と思っています。

少し話はそれましたが、そのような環境で暮らしているので、冒頭の主題に戻ると、常に文化、宗教、人種の違い、それらの問題が距離的に近いです。
冒頭で日本は「外国人との距離が遠い」と書きましたが、外国人=文化、宗教、人種という問題は常にひとまとまりです。
そういった概念を「海外で暮らすマイノリティは意識している」という事実を知って欲しいと思います。
そうはいっても、日本にいたらめんどくさい話ですよね。国境を地続きに接しているわけでもなく、そんなこと考えなくても普通に暮らせるわけですから!
でも時代の移り変わりと共にその必要性が今後増すことは避けられないと思います。日本が素晴らしい国であり続けるためにはこう言った思想に目を背け続けることは、たとえ大都市以外の外国人に接する機会が少ない土地であっても「難しい」と考えます。理由の一つに海外で暮らす日本人、日本で暮らす外国人も増えているので!




あるフランス人が「日本に行ったときの話」のひとつの例です。
「あなたは小顔でスタイルも良いし素敵ですね」と言われたそうです。アジア人からしてみると欧州人のスタイルの良さが素晴らしくて褒め言葉で言ったことですが、言われた本人は残念ながら「差別的である」と感じてしまったそうです。
「顔が小さい」という身体的な特徴に言及する行動は、いわゆるアジア人に「つり目」のジェスチャーをすることと同意です。もし褒めるなら、ファッションとかセンスを褒めるべきで、身体的特徴を直接的に言葉に出すのは「肌の色が黒くて素敵ですね」といっているような微妙な感じになってしまいます。
顔が小さいと言われることは「脳みそが少ない」という別の意味もあったりして、身体的特徴に言及することはたとえ言及した本人がポジティブの意味であったとしても、グローバルではネガティブになってっしまう、という思想も理解して欲しいです。


ここまでいくつかの例で「自分の身の回りににおける外国人との距離感」を解説しましたが、自分が国際的な知見を沢山持っていて他国をよく理解しているということではなく、平たく言うと、たかがフランスという一つの国に6年住んだだけで言えることなんて少ないんです。日本で生まれて日本の教育で育って40年以上日本に住んでいた人間ですから言えることが少ないはずですが、6年海外で住んでみて、「差別の距離感の違いを感じることができたことが素晴らしい」と思うからこそこんな形で発信しています。この機会にその違いを感じてもらえたら嬉しいです。

差別を受ける側になってみて感じた発見、こんな感覚になれることがおおきな財産である、そういう感覚の中で「ワールドカップの日本のサポーターが会場を清掃する」なんてことが外国で話題になると、又新しい感覚がよみがえってきて、思考を巡らすと楽しいもんです。(個人的な感想は又別の機会に!)

日本の素晴らしいところを外から見た新しい感性で感じられるのは再発見と同時に本当に嬉しいです。
その素晴らしいと感じてもらっている海外の本意と日本のメディアを通した商業的意見に違和感を覚えることも多いので、又機会を改めて発信したいと思います。
 

それでは又お目にかかりましょう!アビアントゥ! à bientôt !!



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2022-12-18

ワールドカップ中継から感じたスポーツのメンタリティーと国民性比較

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フランスからこんにちは


フランス代表がワールドカップで決勝まで進みました。非常に盛り上がっていますが、この中継を見て感じるフランス、欧州におけるスポーツでのメンタリティーと価値観の違いについて自分のこれまでの経験からお話しします。



ココにこうやって書こうと思ったのは、自分の子供が通うテニススクールでフランス人の子供がどのようにスポーツに向き合っているか?周りの大人がどのように教えているか?日本人の子供がそこで何を感じるのか?を見ることが出来たからです。良いか悪いかの批評ではなく、違いを感じてもらえたら、またそこから何が生まれるのか考えるきっかけになればうれしいです。


シュミレーション行為

サッカーでシュミレーションという行為(反則)があります。実際にはファールを受けていないのに、わざと転んで審判へ相手のファールを訴える、という行為です。ゴール前で反則がもらえると即ペナルティーキックに繋がるので得点できる可能性が高まります。欧州、南米、アジアでもサッカーではよく見るシーン、勝つために手段選ばず……日本でもそういうプレーの認知は高まったし、日本人選手でもやる場合があると思うのですが、日本選手のそれと比べるとそのあからさまなやり方、スローで見ると誰も触っていないとか、そういう行為を欧米のプロ中のプロがやっていると個人的にはうんざりします。

 

Triche(インチキ)

さて、うちの子供達は娘も息子もテニススクールに通っています。これは日本にいたときから続けています。とは言っても日本の生活は幼稚園以下しか経験が無いので、それがどの程度いまの生活に影響しているか分かりませんが、ことあるごとに感じることは日本人の親から教えられる日本的な精神性(メンタリティー)は今のところ非常に強いです。ただし「郷に入れば郷に従え」、ここフランスで生きる上ではフランス人のメンタリティーを理解することも重要だし、そうなっても良いと思っているし、そうあるべきだと思います。

さてテニススクールでの一コマです。子供達がレッスン内で模擬の試合をします。一般的にテニスの場合、審判がいない場合は、相手のボールが入っているかどうかの判断は打った本人ではなく、相手が判断します。

しかしうちの子供達によると、こちらが打ったボールが明らかに入っているのに「Out」判定される!といって怒って帰ってきます。
うちの子どのたちは小さい頃からテニスの心得があるので、同年代のレベルに比べると少しうまいです。なので対戦相手はうちの子供に勝てないことを悟ると、判定を"しらっ"と改ざんするんです。全員ではありませんが、判定を改ざん(Triche)する場面は私もよく見ます。

  • 負けたくないという意地
  • どんな手段を使っても勝つという欲求

この行為が正しいかどうかはココでは言及しませんが、子供が「勝ちたい」という欲望、意思をはっきり手段を使って表現するという精神性はフランス生活の中ではうなずける部分もあります。高学年や大人がこれをやっていたら??? となりますが!!



日本における子供のスポーツのメンタル


日本では部活やクラブで「スポーツをする」ということはまず「礼や規律」を重んじる、学ぶ。そこが第一歩。スポーツを通して運動技術以外のもの(精神性)を学ぶという「もう一つの目的」がそこにはあります。

自分が印象的だなぁと思う日本でよく見る低学年のテニススクールの光景ですが、まず始めにレッスン開始前に並んでから「こんにちは」というコーチと生徒の「礼」から始まります。

フランスの場合は、レッスン開始前に個人同士がお互いに握手やビズで挨拶を交わします。個人の挨拶が終わったら準備運動もなくいきなりレッスンが始まります。
レッスン中に子供が怒ってボールを蹴飛ばしたり、ラケットを投げる場面もよく見ますが、怒られることはありません。(※フランスには部活はないので、クラブスポーツと部活は単純比較出来ない場合が多いです)

さてここまで書いたのは

  1. トップサッカー選手のシュミレーション行為
  2. 子供のスポーツ現場でインチキをして相手に勝とうとする行為
  3. 日本の場合はスポーツを通して勝ち負けの前に礼や精神性を学ぶ

自分も全ての世界の国を知っているわけではないのですが、1や2は日本や一部の国を除いてこのような考え方は少なくない(一般的な)のではないかと思います。
ただし、全ての世界のトッププロがそうでは無い、全ての子供がそうでは無い、という前提は当たり前ですが、いちおう付け加えておきます。

メジャーリーグでイチロー選手が道具を大事に扱うことが知れ渡ると、アメリカの野球を愛する子供達にそれが浸透したそうです。日本のそういったスポーツにおける「精神性」というのは外から見ただけでは分からない部分が沢山あります。
日本では当たり前の高校球児の丸坊主、試合開始前に一列に並んでお礼をするのは、フランスのテレビでみると自分的には見慣れた光景なのになぜか違和感を覚えます。フランスの「ゆるさ」を日常的に肌で感じているからでしょうか?

しかし両国のパターンを比較したときに、その根底にある「スポーツを通した大事なこと(精神性)」はおそらく共通で、学ぶタイミングが違うだけで、日本の場合は子供の頃から学ぶ(特に部活)のでその考え方が多くの生徒の共通の価値観となる。
諸外国では一部のトップ選手を目指すアスリートが成長と共にそれを次第に学び、結局は大人のプレーヤーになると同じ所にたどり着くのではないかと思っています。ただし欧米の場合、そのような精神性を尊重しないトップ選手も一定数いて、それを非難しないのが国民性であったり文化なのかなぁと、2国の間の経験から、ぼんやりと思っています!




さて、子供がそんな理不尽な行為で負けて怒って帰ってきたときに、親として何と声を掛ければ良いか迷うところですが、コテコテの日本人の親としては

  • 自分は絶対にTricheはするな!
  • 相手に、「Tricheしてもこいつには勝てない」と思わせるように、ルールの中でどんな技を使ってでも相手に勝ってこい!
苦しい言い訳みたい(郷に従っていない?)ですが、まぁこんな感じです 笑


長くなりましたが、子供の教育過程を通して感じる欧州生活は非常にコアで面白いです。精神性を語る上では文化や宗教、歴史も考慮するともっと理解が深まると思いますが、スポーツの一側面で感じたことを表面的に書いてみました。
又別の機会に、こういった内容に触れてみたいと思います!


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