2024-11-10

フランスでファミリーキャンプ仕様の改造をしてみた(2)

 Bonjour ボンジュー

フランスで起業、日本の町工場経営の経験を生かし、リヨン近郊サンテティエンヌでフリーランスのエンジニアとして活動しています !


前回の(1)でミニマルキャンパーを目指した自家用車の改造における
「フランスにおけるキャンプの定義」
「改造コンセプト」
についてお伝えしました。

今回はキャンプ仕様へ改造した具体的な
「機能やスペック」
「使い勝手」

を紹介します。


1. スライドテーブル
2. ガス台
3. 水回り(給水とシンク)
4. アルミ架台のメリット
5. 取り外しと日常使い


改造と言うと、車本体に変更を加える用に聞こえますので、あえて訂正するなら「装備を加えた」と言うことになります。

加えた装備を外して床に置いた状態がこちら

自立しないので、横に置いていますが、長い足が2本、
トランク側から見て手前に配置されます。

いわゆる架台ですね。すごくシンプルな架台です。
これがミニマルキャンパーとしてキャンプシーンで機能するのと、日常使いでも重宝しています。
テキストでの解説の前に動画でご紹介します。
具体的なイメージがつかめると思います。

1. スライドテーブル


フランス キャンプ 改造 システム
本体(青➡)が全面にスライド
さらに赤➡が両サイドに広がります


本体テーブルはこの市販のスライドレール(Amazon)をビスで本体架台と木テーブルへ固定、出し入れを機能させています。



ここにキャンプ用品が入ったカセット(市販の収納ボックス)を積み込みます。
現地ではボックスを降ろして、料理をする基本的なテーブルになります。




フランス キャンプ 車


このスライドレールは「ガイド」と「レール」が取り外しが可能なので、現地でテーブルをレールから外すと、車中泊時には足下のスペースを確保するのに役立ちます。


2. ガス台


ガスを使う場所を確保しました。本体スライドテーブルからさらに外側にせり出す仕様です。トランクハッチの開閉位置とガス位置による蒸気の熱気や油はねなどを考慮しました。
ハッチの真上より外側に位置しているので問題ありませんでした。

一般的なカセットボンベタイプのガスレンジですが、風除けの効果もあって問題なく使えています。

ガスレンジの滑り止めとして板面にネジをタップし、ガスレンジの脚の穴がフィットして移動やズレを防いでいます(動画参照)


3. 水回り(給水とシンク)


Amazonで買った中華製のポンプ内蔵の給水設備です。
ガス台と同様、本体のスライドテーブルから横にスライドしてシンクとして機能します。
シンクは市販の折りたたみ式なので、収納時は薄く変形します。




ポンプはUSB充電式のワイヤレス、安価で機能も十分、上手く使えています。一昔では考えられなかった給水設備の簡素化、こんな簡単に給水ができるなんて!!!
(昔は大型の「給水ポンプ」の設置と電源確保を考えなけれはならなかったのに)

ガスと給水、メインテーブルの裏はこんな感じ
これらもスライドレールで横に跳ね出す機構です


ガスレンジ含めてこのあたりのコンセプトはあるイギリス人インフルエンサーからヒントを得ました!

彼曰く「お金を掛ければいくらでも良い物は手に入るけど……」がコンセプトです。




4. アルミ架台のメリット

アルミフレーム


一般的に機械業界では装置やシステムを組むのに使われる汎用性のある素材です。
支柱の4面に溝が切ってあり、この溝にナットを配置することによって、ナットは溝の中をあらゆる位置に移動可能で、ビスの位置や方向を選んで固定できます。
この自由度により、構造体自体の接合部の位置をビスの締め付けだけで調整できます。



なので、このようにボルトなどを好きな位置に配置し、フックや物の固定にも使えます。
この素材はAmazonでも買えますし、日本の専門サイト(MISUMI)でも高品質な永続的に購入出来る素材として、バラエティに富んだ要求に応えられる素材として利用可能です!

個人的にはAmazonの中華製よりも品質、汎用性、サステナビリティを考えると日本製に軍配。
私はフランスで日本サイトを利用出来ないので、ドイツのMISUMIから購入しました。
この調整機能、私は子供のテーブル使用に合わせて高さを変えたり、収納ボックスの用途が変わって寸法が変更になった時など、その寸法に合わせるために高さ調整しています。
木組みなどではこうたやすく調整は出来ませんね!


5. 取り外しと日常使い

このシステムがひとたび人目に止まると、フランス人はすぐに興味を示して寄ってきて話しかけます。
「よく整頓されていて使いやすそうだね」「どこで買ったの?」「いくら?」
キャンプ場でも声を掛けられますし、スーパーの駐車場でも話しかけられます。

4カ所の固定ベルト(タイダウンベルト)を外せば、あとは車外に架台を持ち出すだけです。
タイダウンの床固定フックはC4Picasso 車両の標準装備です

前記事でも書いたように、固定はタイダウンベルトのみなので、いつでもこのシステムを簡単に外すことが出来るのがこのシステムのアドバンテージです。

トランクに積む荷物が大きい場合や、後部座席を7シーターとして使用する場合、この架台を外してノーマル仕様に戻します。15分あればお釣りが来ます。
ここがこのシステムのコンセプトである「ミニマルキャンパー」の本質です!!!
エンジニア魂がブルブル震える快感要素です笑

日常使いでは、このスライドテーブルの「収納ボックス」を日常の物に取りかえます。

自分はここに週一回のテニスシューズや、ハイキング用の靴、仕事のユニフォームなどを収納し、システムの上部と最下部のスペースは買い物時や普通のトランクとしての機能として使っています。


スーパーマーケットへの買い物時はペットボトル類などは上部の収納場所に収納できるし、棚的に各層を使い分けできるので、「割れ物や卵は棚の上」といったように使っています。

ペットボトルは普段もキャンプ時もココに収納
棚が一つあると何でも置けるので重宝します

また日帰り旅行時も、簡単にシンクが使えたり、コーヒーを沸かせるのは重宝しています。自分は写真撮影が好きなので、日帰り撮影時に飲料用の水のペットボトルだけ補給すれば、手洗いなどの給水含めた簡単キッチンが使用できるので、場所を問わず出かけられます。

フランスは日本のように何処でもコンビニがある環境ではないので、この設備が心強いです!!また自然の中に気兼ねなく入っていけるのはメリットを感じています。



いかがだったでしょうか?

職業がら「メカニックエンジニア」の要素が満載ですが、個人的には日本人的な思考回路がこれを完成させたと思っています。

何よりもこのシステムを家族と共有出来ていることはモチベーションに繋がります。


夏の2週間のバカンス旅行時の装備としても活躍しました!

娘にとっては初めてのキャンプ

息子はこのシステムのエキスパート

家族のために朝食

車両、キッチンスペース、居住空間(テント)が繋がった配置構成が今のところ基本です

この情報が少しでもフランスでのカーキャンプのヒント、C4Picassoオーナーのヒントになれば幸いです。
実際にvacancesへ出かけて使用した様子はこちら↓

製造過程とコンセプトを解説した
「フランスでファミリーキャンプ仕様の改造をしてみた(1)」はこちら↓

それではまたお目に掛かりましょう!
See you !!
アビアントゥ!
À bientôt !!



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