2020-02-16

締まるボタンのないフランスのエレベーター

Bonjour 町工場社長の地域密着型ブログへようこそ

閉まるボタンの無いエレベータって日本にあるのでしょうか?
フランスのエレベーターから垣間見る

フランス人 気質(日本人 気質?)

についてご紹介します。


フランスの全てのエレベーターに「閉まるボタン」が無いわけではありません。
都市の公共施設、ホテルあたりは「閉まるボタン率」↑ですが、それ以外では「無いヤツ」に出くわす確率が高いです!自分の見立てでは、約80%のエレベータに「閉まるボタン」が無いと言う印象です。

フランス式0階が日本の1F、🇫🇷1Fが🇯🇵2Fです。
0階(日本の1F)がRCRDC(Rez-de-chaussée)という表示で書かれています。
フランスのエレベータで第三者と一緒になったときは必ず挨拶をしましょう!基本です。。

ボタンが無いからと言って扉が閉まらないわけでは無く、閉まるまで待てば 閉まります、当たり前ですが 笑!


  1. 機能の必要性
  2. 気質の違い




1.機能の必要性


日本人気質からすると、ほとんどの日本人が「閉まるボタン」を日常的に使用していると思います。そして極めつけが、「閉まるボタンを押して」から「階数ボタンを押す」という順序、ではないでしょうか?そうなんです。自分も何気なくやっていますが、少しでも早く移動したい、無駄な時間を削る、第三者への配慮・・・と言う理由から!ではないでしょうか?

ここからが核心です!待てば閉まる、"たった数秒間の出来事"、これを待てるか待てないか?そこが気質の違いだと思います。

自分の見解ですが、日本のエレベータの製造会社からすると「閉まるボタン」は利用者に対するサービスの機能の一つです。フランスのエレベーターは無駄な物は省く、これにつきます。
家電製品も機能が多いのが日本製品の特徴ですね。自分はこれに通じる部分を感じます。



しかしながらSteve JobsスティーブジョブズがiPhoneの開発に当たり、「禅 Zen」 の精神をとりいれ、究極まで無駄を省いた「〇ボタン一つ」のでデザインに至ったという話を聞くと、禅の発祥の日本で機能が多いと言うことにちぐはぐさを感じます。おもしろいですね。



2.気質の違い


待てば閉まる、「そんなに急がなくても大丈夫だよ!」
そういう気質に遭遇することが他の場面でもあります。


例えば、
スーパーのレジ、大型店では買い物がしやすいようないろいろな会計システムが用意されてしています。



  • ハンディキャップがある方々のためのレジ
  • 購入品の点数が少ない人用に通れるレジ
  • セルフで会計が出来るレジ



ところが普通のレジではいつも長蛇の列、その要因は

  • レジ係と客のやりとり(挨拶、日常会話、金額についての確認etc.)
  • お客さんの支払いに時間が掛かる(小切手やらお年寄り)
  • レジ係は基本のんびり
しかしそれに対してイライラするそぶりを見せたり、文句を言う人はいません。もちろん急いでいるときは別ですが!
でお客さんが支払いに時間が掛かるなどの待つ時間があるときは、レジ係さんの休息タイムなんです。
日本のレジは「いらっしゃいませ」の挨拶からお客さんを待たせないためにひとときも休むこと無くテキパキと正確に仕事をこなすことこそ仕事の役割、価値ですが、こちらはそういう進め方とは一線を画しています。


料金所にて



高速道路の料金所、ETCの普及率が今ひとつ、というか地方では料金所であまり混まないので必要性が低いのが現状です。で支払い時ですが、ほとんど機械による支払いなので、レジ係さんのような“のんびり”な要素はここにはありません。しかし、しかしです。支払う人は比較的のんびりです。急ぐことはしません。

1にチケット挿入、2にカード挿入、3で領収書受け取り 
※詳しくは→ 過去記事「フランス 高速道路事情

自分(日本人)の支払い方→料金所が近づいたら減速、減速しながらカードとチケットを用意してウィンドウを開けてからゲートへ侵入します。停止したらすみやかにチケットとカードを機械に入れ、領収書を受けとったらまず発進、その後にウィンドウ締めるボタンを押してそれから車内でカードや領収書を所定の場所へ戻します。F−1のピットインさながらです!


ところが支払い時に前に車がいたとすると、その支払いぶりは「日本人的」にイライラしてしまうこと満載です。全てがゆっくりなんです。
支払い工程は自分と同じはずなのに、一つ一つの動作が完了してから次の動作に進む、同時にやると言うことは少ないので、しっかり支払いが終わってからチケットなど所定の場所に戻して、窓を閉めてから発進する。。。

そう、こういう状況に出くわしてもイライラしてはいけないんです。その必要性いも無いんです。たかが数十秒待つだけ、前の車が支払い終えるまで待つだけ?でいいんです。
もちろん全ての人がそうというわけでなく、そういう人の割合が高いということですが、基本的な気質、待つことに対するスタンスは大きく違いますね。そう、フランスが特別なのでは無く、日本が特殊であるともいえます。

自分がそうするのは、後続の車にすこしでもスムースに、と言う思いですが、自分の後ろに車がいる確率がめっぽう少ない。。むだな作業です(^_^;
カード支払時のカードの機械読み取りが甘くてなかなか反応してくれないときがよくあったりして、自分がいくら急ぐ動作をしても無駄になることもよくあります 笑

そんなこんなで、自分の経験と比較は「日本&フランス」でしか語れていませんが、おそらくラテン系の欧州は比較的この傾向が強いはずです。日本の感性は素晴らしい場合があると同時に、現地に順応しようとする場合、邪魔になる事があります。郷に入れば郷に従えの教えのように現地にアダプトするために捨てる部分と、日本人のアイデンティティとして大切に持っておく事を、しっかり切り分けて考えさせられることがよくありますね。
率直な自分の感想は、こちらの感性に慣れると生活はラクで楽しいんですけどね!笑


自分が乗っているエレベータの扉が閉まりかけたときに人が駆け寄ってきたとします。自分は「開くボタン」で扉を開けてあげます。乗ろうとしていた人が乗れました。しかし閉まるまで待たなければいけません。そんなときはお互い挨拶をして一言二言会話をしているといつのまにか扉は閉まります。
そんな日常的な 人とのふれあい も慣れると良いもんだなぁって思います!

それでは! À bientôt ! ア ビアントゥ!

1 件のコメント:

  1. 私も同じことを考えたことがあります。メーカーの国籍も少し関係するかもしれません。欧州のはドイツかスイス製が多い記憶があります。でもアメリカも含めて欧米製は閉めるボタンなし派のような気がしますね。例えば中国、昔はボタンなしだったが、最近は特に上海など都会のものはボタン有で、驚いた記憶があります。考え方、習慣、文化の差、でも変化もあり得るのかもです。

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