今回は、久々に町工場ネタをお伝えします。
現場で働く人にとって安全装備は欠かせませんね。
安全装備の日仏の違い
について、主観を大いに交えながら解説します。1.安全靴 CHAUSSURES DE SÉCURITÉ
これは万国共通ですね、おそらく。つま先に鉄芯が入った、足が潰されないための防護用の作業靴。こちらでも旧来の革製の安全靴以外にスニーカータイプのものが今は主流です。しかもオイニィがきついのは古今東西共通ですね。
臨時の来客用 🇫🇷あるある! |
2.ヘルメット CASQUE
切削加工現場では余り見受けません。日本の場合は地震があるのでその防護もかねて、日常は使わなくても、常備しているところも多いと思います。
こちらも日常使用での普及率は低いです。建設現場などはもちろんしっかり普及していますが、中小の金属加工工場の場合は無いところも多いと思います。
地震が無いので、物の置き方とかは日本で危険に感じることが、こちらではまかり通ってたりします。
3.作業服 Vêtement de travail
やはりこちらも日仏の大きな違いはありません。一つフランスで印象的なのは、こちらによくあるタイプで「裾」が長いガウンのような物があります。これを使っている作業員をよく見ます。精密加工の機械のオペレーターや汚れる作業の時に着用している印象があります。これを着ていると、現場の見た目や雰囲気がインテリジェンスあふれる感じになります笑!
4.耳栓 BOUCHON D'OREILLE / CASQUE ANTIBRUIT
最後に耳の保護器具です。日本では余り見受けませんが、フランスでは普通の町工場でも装着率が高いです。外付けタイプのものと、耳栓タイプの物があります。
外付けヘッドフォンタイプ CASQUE ANTIBRUIT |
さてここから先日体験した超レアネタです 笑!
耳栓タイプ(BOUCHON D'OREILLE)、多くがオーダーメイドの耳栓を着用します。日本の普通の町工場では余り見ませんがこちらは多いです。実は先日作ってもらう機会があり、その様子をリポートします。
「置き薬屋」のようなごっつい鞄を持った耳栓の専門屋さんが型取りをしに来場しました。
昭和の匂いのするゴッツい鞄!中には型取りの資材が詰まっています! |
その場で紙コップに2液タイプのシリコン製の型剤を調合します。
左下に見える青いものは、型剤の侵入を防止するスポンジ製のフタです。取り出し用の紐付き! |
まずは耳の中をしっかりライトでチェックされます。そのあと耳の中に小さなスポンジをピンセットで挿入し、そのあと型剤を注射器で注入します。小さなスポンジは型剤の侵入を耳の奥で止めるための物で、ひもが付いています。
そしていよいよ型剤注入。冷たい歯磨き粉さながらのシリコンジェルが注入されます。
注入後、数分待機します。見えているひもは、先に入れたスポンジの取り出し用です。
私の耳型! |
これが固まった後の取り出した型剤です。青いのが先行挿入したスポンジです。
この型を元に反転型の耳栓が完成します。
約2週間ほど待って、完成品が配送されました。「PROTAC」耳栓専門の会社です。しっかりしたパッケージに包まれた本体と、下の箱は耳栓洗浄用のタブレットです。コップに水を入れ、タブレットを溶かすと洗浄液の完成です。
青の丸いケースが保管用のプラスティックケースです。黒いひものような物は、両方の耳栓に取り付ける落下防止のためのコードです。長さ調整が出来ます。
耳栓本体。この黄色い部分に先ほど紹介した落下防止のコードがとりつきます。現場では話をするときなど耳栓を取り外すことが多いので、このひもは欠かせません。取り外したら首にかけておけばOKです。
どうしてこの耳栓が普及しているのか?正確な情報は調べられなかったのですが、自分の主観では耳の聞こえ方が人種の違いで誤差があるように思います。自分も常に現場にいますが、経験から判断しても機械音が特段気になるというレベルではありません。瞳の色が違えば眼球の光線に対するまぶしさが違うように、聞こえ方がアジア人と違うのかな?という印象です。いずれにしても耳を守るという意味では装着した方が良いのかもしれませんね。フィット感は抜群で、とてもよい防音効果が得られます!
特注の耳栓、日本ではレアですが、安全装備の普及が行き届いたら、皆さんの会社でもひとついかがでしょう?一度作ったら長年使える代物です!
それでは! À bientôt ! ア ビアントゥ!
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