2019-12-07

フランス 高速道路事情「なんせ130㎞ですから!」



Bonjour 町工場社長ブログへようこそ 

国内移動は電車、バス、近距離航空便と色々な移動手段がありますが、地方都市では車が貴重な移動手段となります。もちろん電車が無いところも多くあります。自分の町もリヨンから約1時間の距離であり、生活に車が欠かせません。その町と町を繋ぐのが高速道路、今回は

フランスの高速道路事情

をお伝えします。

  1. 最高速度
  2. サービスエリア
  3. オービス
  4. 料金所
  5. その他


1.最高速度

こちらは高速といえども無料の路線、制限速度が90、110㎞が多いです。


このマークが見えたらゲートでチケットを取ります。有料区間の始まりです。

悪コンディションの場合には110㎞/hの制限となります
有料区間は最高速度が130㎞/hで長距離移動がストレス無くできるのが良いところの一つです。90、110、130と言う区切りで設定されています。130㎞ です。
なんて素敵なんでしょう!!


2.サービスエリア


「Aire」この文字が見えたらサービスエリアの標識です。
有人と無人のサービスがあります。
イラストの通り、給油や食事のサービスがあります


「P」マークと「公園」のようなイラスト、ここは無人でトイレだけが使えます
この無人スポットはイラストの通り広い芝生や公園があったりと、自然と近い環境にあって場所により楽しめます。




有人スポットは車種ごとに駐車スペースが分かれます。普通車、トラック、キャンピングカーの分類です。キャンピングカーを楽しむ文化が根強いため、キャンピングカーに対するサービスは日本人の自分には新鮮です。

サービス満点
キャンピングカーエリアは長めの駐車スペースが多く確保されています。
一年中バカンスが取れる国ならでは!無料で付帯設備が使えます!




ガソリンスタンドはその場でカード決済できるタイプと、給油後に、支払いカウンターまで行って、申告するタイプがあります。自分が使ったポンプの番号を伝えると決済してくれます。ポンプ番号と表示価格をしっかり記憶しましょう!

給油種別の表示、上二つ(緑色の表示)がガソリン、下二つ(オレンジと黄色)がディーゼル用です。オレンジは軽油のプレミアム仕様ですね。使ったことありません!


欧州は普通車は半分以上がディーゼル車です。レンタカーを借りるときもディーゼルが多いと思います。間違えずに給油して下さい!左二つ(黄色、オレンジ)のノズルがディーゼル用です。

「Gazole」と書かれている場合があります。これがディーゼル用(軽油)です。
黄色のノズルです。

3.オービス

これが見えたらレーダーの速度自動取り締まり区間です。制限速度を数キロオーバーしただけでパシャリとやられるので注意して下さい。

道端にある自立式のこのタイプが一番多いです。二つあるのは各二車線のそれぞの対応用のようです。



市街地は制限速度が下がります。130㎞からほとんどが90㎞、70㎞と制限されます。この制限速度の変化をしっかり守れるかがポイントです。なので車載ナビまたは携帯のGPSアプリがあると便利です。そのせいかどうか分かりませんが、自分の印象ですが、制限速度をしっかり守るドライバーが非常に多いです。とは言っても130㎞で飛ばせれば急いでいてもストレス少ないですよね。



日本で言うねずみ取り、少ないですが時々います。携帯GPSアプリだと情報が拾えます。

覆面パトカーという物はいません。普通車に車載のオービスを積んでいると言うことは聞いたことがありますが、みんなしっかり速度を守っている車が多いので、日本ほど取り締まる意味が無いように思います。なにせ130㎞ですから!




ときどき期間限定、季節限定の据え置き型が設置されます。例年のおおきなイベントなどは事前の表示無しで置かれていることがあるので、注意して下さい。制限速度50㎞の道で自分はこれにやられました。



4.料金所

この標識「Péage」が見えたら料金所です。「自動の通過ゲート(日本語忘れた(^_^;)」、「カード支払い」、「現金支払い」を選び、そのゲートへ向かいます。いずれも無人です。


「自動通過ゲート」のマークです。
一番左がカード支払いのマーク、カードを挿入するだけで決済されます。




1.チケット挿入口、2.カード挿入口。
差し込んだカードが時々認識されないことがあります。機械の読み取りが日本より甘いです。そのときはカードの磁気部分をズボンの太ももの部分にゴシゴシこすりつけてから差し込むと認識されるときがあります。フランス流です!
支払後に3の「Reçu」ボタンを押すと領収書が発行されます。



首都圏を除いて、自動化ゲートの普及率は低いです。圧倒的に搭載車の数か少ないので、需要が低いようです。

5.その他

フランスは圧倒的にマニュアル車が多いです。大型の車以外はレンタカーもマニュアル車が多いので借りるときは注意して下さい!



出張でよく高速を利用するのですが、とにかく車が少なく、走りやすいので疲労やストレスがホントに少ないです。楽に巡航するためにオートクルーズ機能は必須です。
なにせ130㎞ですから!






サービスエリアからの景色


メーター誤差があるので読み値135で丁度130㎞




平地でもキリが多いので注意!





夜九時過ぎの日没





中央分離帯に紅葉の粋は計らい!

フランスの醍醐味はパリなど大都市だけではないのでぜひ地方も楽しんでみて下さい。
故障しない車でご安全に。


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2019-12-05

CARGLASSでガラス交換!


Bonjour  町工場社長ブログへようこそ

[Carglass]

というサービスがフランスにはあります。フランスに住んでいる方なら、車を利用されている方は知っている方が多いと思います。このサービスは自動車のガラスを専門に取り扱うサービスです。走行中に飛び石でガラスにひびが入ってしまい、交換を依頼しました。保険適用なのでタダです。実は以前にも後部ガラスを割ってしまったのですが、このときは店舗に持ち込みました。半日ほどで修理完了でした。
今回も持ち込む用意はあったのですが、会社まで来てくれるというので待つことにしました。
一台のバンが登場、よく見るロゴとカラーの車です。


オペレータ1名でやってきて準備を進めます。

ガラスを固定している縁取りを手際よく外します。

内側から吸盤を固定します。小さい吸盤にはワイヤーが引っかけられ、

それを釣りのリールのような物で巻き取りながら、そのワイヤーが縁ゴムをずらしてガラスを外します。

新品のガラスに縁ゴムを取り付け・・・

押し込めば取り付け完了です。

天気の良い日に無事完了です。所要時間 1時間ほどでしょうか?
欧州はガラスが割れた車がよく走っています。割られることが多いからでしょうか?勝手な推測ですが、そうやって現地に根付いたサービスが生まれるんですね。そういう意味では日本では流行りにくいかもしれませんね?
冒頭で話した、1回目の後部ガラス破損は自宅ガレージの自動開閉扉にぶつかって割れちゃったのですが、自己負担覚悟でいたら、保険で直していただきました。なんか大した原因説明もしていないのに保険屋さんが良くしてくれましたね。日常で日本に比べて不便なことも多いですが、こういう「おおらかさ」に助けらるのは感謝ですわ。

ありがとうフランス!Vive la France !!


2019-12-04

フランスを歩く!

Bonjour 町工場社長ブログへようこそ

「フランスを歩く」というと紀行番組さながら大げさに聞こえますが、田舎町の近所をちょっくら歩いてきました。車では伝わらない

徒歩の風景を紹介

します。

  1. 町の人口規模
  2. 徒歩スタート




1.人口規模

「田舎」と言う響きは少々微妙で「人口一万人の町」と聞くと、日本から見ると「村」の規模ですが、こういう町が多いです。なにせ日本の約二倍の国土に約半分の人口と聞けばその規模感、密度感が伝わると思います。


  • 1位 パリ 220万人
  • 2位 マルセイユ 86万人
  • 3位 リヨン 51万人
  • 4位 トゥールーズ 47万人
  • 5位 ニース 34万人
  • 6位 ナント 30万人
  • 7位 モンペリエ 27万人
  • 8位 ストラスブール 27万人

我が町 Roche-La-Molièr (ロッシュラモリエール)は中核都市のSaint Etienne(サンテティエンヌ)(15万人ほど)に隣接した立地です。大都市では無いというだけで、フランスでは一般的な中小規模の町です。他の町もそうですが、一歩離れると自然が多いので徒歩で景色を楽しめます。

2.徒歩スタート


自宅からの眺め。自宅の立地はCentre Ville(町の中心街)からすぐです。Centre Ville は別の機会に紹介します。

この辺の特徴は山間の自然に近く、起伏に富んだ土地です。平坦な場所は少ないですね。


写真ではわかりずらいですが、家を出てすぐ坂道です。
ゴルフボール大の雹が今年降ったのですが、そのときはこの下り坂の終点にヒョウが転がっていき溜まったりもしました。
(雹害による雹の堆積)




小さい工業団地を抜けます。




近所のスーパー(Leader Price)前です。


普段は車で下の道を使っています。今日は車の少ない裏道を歩きます。


ここから裏道、小さな住宅街を抜けます。

山では無い、大きな丘が連なります。

空はどこでも同じはずなのに、雄大です。

車が一台通れるほどの小道です。

両側が牧草地です。


起伏の多さ故、このあたりは放牧が多いのですが、乳牛では無く肉牛が多いのも、その土地の特徴にあるそうです。

いつも通る道路の下を抜け、

丘を登ります。

遠くの景色が見えるほどの標高なってきました。

サンテティエンヌ(Saint Etienne)市を望む




ときどきワイルドな馬の落とし物があります!

遠景の果てもやはり丘



目的地に到着!
約5km、標高差130m、約1時間のプチハイキングでした。





それでは。

À bientôt.

2017-10-06

材料規格の壁

日本で仕事をしていたときには知らなくても困らなかった世界における

金属の材料規格・海外規格

に関する情報をお届けします。
これまでは海外規格に触れる機会はまれでした。
海外のエンドユーザーはいましたが、材料支給だったり、普通に指定JIS材を国内調達していましたのでこれほど規格の種類が多いことすら知らず、気にすることはありませんでした。

  1. フランスおよび欧州の規格の現状
  2. 実務上での規格の壁
  3. 仕上げ処理との関連
  4. 規格の表記 JIS対応
  5. 切削の違い



1.フランスおよび欧州の規格の現状

材料だなの表記も数種類
こちらではもちろんフランス規格NFが多いのですが、さすが地続きです。図面によっていろいろな国の規格が混在しています。










欧州規格EN、国際規格ISO、ドイツ、イタリア、ポ−ランド、スペイン、ロシア、英国・・・
欧州以外でも大市場のアメリカや中国規格もあり、その多さを改めて思い知ります。



2.実務上での規格の壁

フランスで引き合いを頂いた物を日本に依頼して作ることもあるわけですが、そこで立ちはだかるのがこの規格の壁です!
海外材料規格対応表なる物があるので、相当材料としてJIS品を代用できる物もあるのですが、実際には代用できない物も多く、とくに熱処理に関する材種は差異が多いです。

3.仕上げ処理との関係

なので「熱処理」「表面処理」が絡むと、日本発注は厄介になります。
相当材料をこちらフランスで処理した場合、本来の性能が出るのかどうかは分かりません。逆のパターンで、こちらから材料を支給した場合、日本での処理は現実的には不可能です。
切削は出来ても、現地材は現地で処理という方法でまかなわないと対応できない可能性があります。

4.規格の表記 JIS対応

ともあれEU圏内で通貨をはじめいろいろな物が共通であるにも関わらず、EU仕様もありながら各国の規格も存在するなんとも複雑な現状です。
表記も数字だけだったり、アルファベがやたら長かったり、覚えるのに苦労します。いえ、今のところ覚えられません!
たとえば日本の「SUS304」がフランス規格の「Z7CN18-09」です。
JISの場合、表記の特徴で、アルミ、鉄系、ステンレスの見分けはつきますが、こちらの表記では判別は難しいです。

※ミスミHPから引用

上記は日本の対応表なので、大まか対応材が網羅されていますが、海外規格の材料からJIS相当を探した場合、無いものも多く、一つの壁となっています。

5.切削の違い

現在いろいろな材料を削っていますが、いまのところ切削自体で困るような物は日本と比べて特別ありません。昨今の刃物は優秀ですね!
ワイヤーカットで検証できていないので、電気条件などは気になるところです!




2017-09-29

フランスのパートナー

2012年から始まったフランス視察、第2回目の一期一会のご縁から現在のパートナーに発展した「AS-MECA BERNARD社」の紹介です。

HPはこちらから
まさしく我々と同じ町工場です。
場所はサンテティエンヌとの市境に位置する小さな工業団地にあります。

1981年 AS-MECA社として創業(ASは創業者のAlain SOWAのイニシャルです)
1996年 Bernard社と統合、現在の形となる
2016年 日本の町工場とのアライアンス「ACT」に参加
現在に至ります

切削加工において試作や小中ロットが中心ですが、一部で量産品も手がけます。
旋盤、マシニング、研磨、溶接までを自社で手がけ、それ以外の加工は外注との連携によって完成品として製品を納めます。
加工にとどまらず、装置も含めた組み立ても手がけます。

核、軍需、船舶、エネルギー、輸送、航空機産業など、多方面へ向けた製造を行っています。原発が盛んであること、そして軍需が業界の下支えとなっている印象はフランスらしいところで、その仕事の需要は多くあります。
顧客は、大手メーカーの一次請けが最も多く、営業力と顧客との歴史が強みの一つです。

従業員数は18名、私のような社内外注的な立場の会社が2社同居しています。


創業者で現社長のAlain SOWAは親日家で、そんなことも我々と手を組んだきっかけです。
地元のコミューンで副市長職をしており、町工場の社長でありながら広い視野を持った彼の人望もこの会社の特徴です。自分にとって、そして自分の家族にとっても最大のバックアップをしてくれる頼もしい仲間でもあります。奥様は我々のために日本語を習っていて、家族ぐるみでコミュニケーションを取っています!
日本のウィスキーが大好きです!


現場はとにかく明るく陽気で、自分はいつも元気をもらっています。
日本の視察を通じて、品質管理、生産管理など日本の良いところをすかさず吸収して社内改善活動を積極的に行っています。
先にリンクを紹介したHPは新卒入社の社員による製作です。日本のHPにはない「フランスらしさ」が感じられると思いますがいかがでしょうか?!
日本で一番有名なフランスの町工場にしたいのですが、競争相手がいなさそうなので、もうすでに一番かもしれませんね!

これから日仏町工場の新しい未来を作るために、タッグを強化して新しい価値を創り出す事に力を注いでいきます。