2021-02-25

「エスニックジョーク」をフランスで感じる!

Bonjour 町工場社長の地域密着型ブログへようこそ

皆さんこんにちは。

エスニックジョーク

というのをご存じでしょうか?

参照Wikipedia

各国の国民性や特徴を言い表したジョークなのですが、自分がフランスに住んでみてこのジョークが良く国民性を言い表しているなぁと感じるのと、同じヨーロッパでも国ごとの色は大きく違うんだということを感じます。とはいえ、ステレオタイプの情報なので、あくまでジョークとして聞き流すことが必要です。

色々なジョークがある中で個人的に一番のお気に入りは「沈没船ジョーク」です。色々な説や違うバージョンなども多数存在しますが、一つ紹介します。

沈没船ジョーク

世界各国の人々が乗った客船が沈没しかかっています。脱出ボートの数がたりないので、その船の船長は、乗客を海に飛び込むことを促します。さて、船長が各国の人を飛び込ませるためになんと言えば効果的でしょうか?

アメリカ人に対して・・・「今、飛び込めばヒーローになれますよ」

ロシア人に対して・・・「海にウォッカのビンが流れていますよ」

イタリア人に対して・・・「今飛び込めば後に多くの女性から愛されますよ」

フランス人に対して・・・「決して海には飛び込まないで下さい」

イギリス人に対して・・・「紳士はこういう時に海に飛び込むものです」

ドイツ人に対して・・・「規則ですので海に飛び込んでください」

日本人に対して・・・「みなさんはもう飛び込みましたよ」


「そうそう」なんて共感できる部分はあったでしょうか?  以下は私の個人的な感想ですが…

🇺🇸アメリカ は強い国でなければならない、愛国心が強い、ヒーロー映画多い、と言うイメージが先行しますよね。特に絶対王者に対するファンのリスペクトは絶大だと思います。スーパーマンという絶対強者ヒーローに対して水戸黄門的な助っ人型ヒーローの違いは鮮明ですね。 女子テニス界の女王セリーナウィリアムスが全米オープンの決勝戦で大坂なおみと対戦したときに、負けそうなセリーナを擁護する応援や相手を罵倒するブーィングが多かったのが最近では印象的でした。

🇮🇹イタリア人、ロマンチストで女性を立てますよね。母、奥さん、彼女、色んなシチュエーションの中で女性が輝いている印象さえうけます。情熱を絶やさず生きる姿が目に浮かびます!

🇫🇷フランス人、このジョークのように言われる理由は、自己主張が強い裏返しですね。自己主張が強い分、他人の主張もしっかり認めます。うらでこそこそしたりしません。よく激しくぶつかっているような場面に出くわしますが、ケンカしているのではなく、主張を述べ合っているだけのことが多いです。

🇩🇪ドイツ人、ビジネスを通して感じるのはやはり約束を守るとか期日を守るとか、小さいことでも規律が取れて真面目な印象です。特に自分の場合はフランスと比べてしまうのでなおさらかも知れません(^_^;フランスの対局にあるような感じさえ受けます。

🇯🇵日本人、このジョークから読み取れるのは、主体性が無いと受け取れますが、その分協調性が強いともいえます。組織で動くにはこの一体感は他国にない特別な物に感じます。こう感じるのもフランスで揉まれたからに他なりません(^_^;


ジョークを真面目に解説しちゃいけませんね。でもフランスで暮らしてみて感じる「色々な違い」は未だに日常的にあって、人間関係、仕事、などどうしたらうまくアダプトするのか常に考え、頭の中で自分に言い聞かせている場面が良くあります。そして同時に日本を外から見ることができるので、良い部分と悪い部分を今まで持ち合わせなかった「別のもの差し📏」で見ることが出来るのは海外生活ならではです。

情報が簡単に手に入る世の中ですが、言語が違えばその国の文化も価値観も違う事を改めて気づかされます。自分が国際的な感覚や経験が特別あるわけではなく、フランスの一地方都市に住んでいるだけですが、しかしいつもこの違いが海の向こうではない地続きに存在して、それに興味をそそられるのは楽しいと感じています。

ステレオタイプなんて言い方をしますが、国によって持つイメージが違う部分もあるようで、英語の授業の時に聞いた「フランス人の持つ外国の国民性のステレオタイプ」が面白かったので別の機会に紹介しますね!


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2021-01-31

はじめてのフランスの隣人 Part 2 /2

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前回「Part 1」に引き続き、今回は「Part 2」をお届けします。


前回の内容のつづきで、出張から帰ると、知らないうちにアパートの階段室に新しい錠前が設置されていて、廊下に出られず部屋にたどり着けなかったところを同じ階に住む隣人に助けてもらいました。今回はその助けてくれた彼の話です。

写真はイメージです(けど似てる!)


気の良いアル中? のお兄ちゃん!

そもそもこのマンションは作りが古く、部屋の作りも大きくないので、一人暮らしとか子供の居ない家庭向きでした。独身女性もいたし、先述した子供の居ない夫婦など。場所は駅の目の前だったので絶好の立地でしたが、比較的安く住める場所で、まぁ今思うといろんな人が境遇の人が居たんだなぁと。

自分と同じ階に住む彼は30前後の若者でした。中肉中背、気の優しい穏やかな顔立ちですが、髪の毛はボウボウで何ヶ月も剃っていないひげを顔中蓄え、いつもジャージかスエットを着ていました。そしてよく呑んでいました。天気の良い日は外に面した廊下の隅で一人でおとなしく一杯やっています。この廊下にいた存在のおかげで、自分が廊下に出られないときに、廊下側から錠前を開けて助けてくれました。この頃から彼と会うと言葉を交わすようになりました。

会う度に「一緒に呑もう」と誘われるようになり、最初は理由をつけて断っていたのですが、まぁ助けてくれたし、気のよさそうな若者だったので、一度呑むことにしました。しかし自分の部屋には上げず、向こうの部屋にも上がらず、廊下で呑むことにしました。廊下は我々以外通らないので絶好の専用スペースです!

一番向こうが彼の部屋で、他の部屋は空いていたので、
天気の良い夕方、この廊下でサシで呑んでいました!


彼はいつも紙パックのワインを持参します。彼がいつも呑んでいる、スーパーで売っている「安くて美味しい」という彼お勧めのワインです。

写真はイメージです


かたや「へべれけ」で何言っているか分からないフランス人青年、かたやフランス語しゃべない、Ouiばっかりの変な日本人オヤジですが、時々こうやって呑むことがありました。

何度か呑むうちに打ち解けて、彼が悩みを告白します。彼のお父さんはどうやら警察官らしく、だいぶ上のポストで働いている様子。かれも同じ道を目指したようなのですが、お父さんの圧がきつく、道半ばで挫折したようでした。仕事も続かず、悩みを抱えながら呑んだくれているという、多分そんな話でした。家賃の滞納などもあり、「引っ越すかも知れない」といつも言っていました。

自分もワインを持参したり、つまみを持って日本の話をしたりしました。引っ越しが決まり彼と別れるときには日本のつまみを渡して喜んでもらいました。

自分は半年ほどで引っ越してしまったので、その後の彼の様子は知るよしもありませんが、フランスで初めての忘れがたい?隣人の一人となりました。

もう一人の隣人、「こわもてオヤジ」はというと、しばらくは相変わらずだったのが、ある日を境に手のひらを返したように人格が変わりました。自分を見つけると走り寄ってきて両手で私の手を包み、「ご機嫌いかがですか?」といった調子に!どうしちゃったんでしょうか?これはこれで怖いですよね(^_^; 彼の内面的な変化だったのか、はたまた丁度その直前に地元のメディアに取り上げられたので、テレビを見て自分の素性を分かってくれたからなのか?

いかがだったでしょうか?とりとめのない隣人話となりました。すごく特異な例であってこれが普通ではありません。ただし当の本人にとっては初めての外国住まいでこれに遭遇したことで、まぁプラスでは無かったけど、多少の困難は苦にならなくなりました(^_^)

いまは引っ越した先でご近所付き合いにも恵まれて、普通に暮らしています。なんか物足らない気もしますが(笑)


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2021-01-30

はじめてのフランスの隣人 Part 1 /2

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先日、フランス語の授業で「Voisin」(隣人、ご近所さん)について話がありました。5月に「La fête des voisins」というご近所さんが集まるお祭りがあるというものでした。

Voisin

フランス サンテティエンヌで、単身期間を経て今の家が二軒目なのですが、過去を振り返ると、一軒目の単身時代のアパートの隣人がなかなかキャラが濃くて、今となっては良い思い出なのですが、そんな隣人話をしたいと思います。

スキンヘッドの入れ墨オヤジ

写真はイメージです(けど…)



左 築100年のアパート

自分はここの三階に住んでいたのですが、下階の自分の部屋の真下に、ある中年の夫婦が住んでいました。子供はいなくて2匹のマルチーズを飼っていました。


アパートの一階 入り口 古いタイプの大きな木扉

入居時に大家さんから「下階の人が騒音のクレームを言ってくることがあるので何かあったらすぐ連絡を下さい」と言われました。どうやら少々精神を病んでいる方だったらしいのですが、見た目は「こわもてのチンピラ」風で、スキンヘッドに入れ墨、ガタイもしっかりした、渡仏直後の自分にとってはどうみても勝ちめのなさそうな、ハードルの高すぎる隣人です(^_^;


挨拶しても無視されるし、得体が分からないまま時間は過ぎたのですが、ある晩、彼はやってきました。食事を作っていると玄関扉をノックされ、普通に挨拶すると、案の定「おまえの足音がうるさい」というクレームでした。自分の部屋はクッションの効いたフローリングで、しかも靴は脱いで生活しているので響く音は立たないはずなのですが、こればかりは相手の感じ方によるところなので、その場はおとなしく言うことを聞きました。建設会社の勤務時代、こういうクレーム処理をしていたことがあったので、対処の仕方は心得ているつもりでしたが…ここはフランス、相手は不労のメ○○ラ。


室内は完全リフォーム済みの快適な空間

そしてまたある日、食事も終わってくつろいでいるときに突然やってきて「○×▽…★φσ.」と文句!足音は絶対無いはずなのに、いちゃもん!言葉が分からないので一応聞くふりはしますが基本無視!

週に2回から3回といった具合に、その頻度と文句のトーンは回を重ねるごとにエスカレートし、もうこうなるとサシで話をするレベルでは無かったので、扉を開けなくなっていましたが、ある日 いきなりやってきて「扉を蹴飛ばす」事態に発展!前触れ無くやってきていきなり蹴飛ばされるので、音と衝撃にこちらも飛び上がるくらいビックリするのですが、このときはさすがに頭にきて怒鳴り散らしたのですが、こんなことが日常的に繰り返されるようになりました。

蹴飛ばされた玄関扉!!

親父が暴れる→俺が文句言う(日本語)→マルチーズが吠える 怖い奥さんが下階の部屋から怒鳴る!

この収拾のつかないループですが、最後は彼の奥さんの一声「いい加減にしなさい!」てきなありがたい説教で修羅場が終わるパターンでした。

今思うとストレスですが、当時はフランスに来たばかりで気も張っていたし、フランスの全てを受け入れる気構えでいたので、少々のことではへこたれませんでした。大家さんが味方だったのでそこは自分にとって大きな安心材料でした。

家族が移住のための下見に来たときはこの家に数日泊まったのですが、このときもヤツは文句を言いにやってきて、妻と子供が恐れおののく事になってしまい、家族にとっては大きなストレスとなってしまいました。「フランス怖い...」

階段を上った先が共用廊下への出口

数ヶ月が過ぎたある日、自分は出張があり、一週間ほど家を空けてから帰宅したのですが、階段を上り、いつものように廊下に出ようとしたら、いつもの扉に新しく錠前が設置されていて、扉を開けられず外に出られませんでした。ようは自分の部屋の入り口がすぐそこなのに、廊下に出られず自分の部屋にたどり着けません。何が理由でそうなったのか分からないのですが、どうやらあいつの仕業のようでした。自分はその鍵をもちろん持っておらず開けられないし、離れたところに住んでいる大家さんに連絡して聞いても「何も聞いてない」と言うことだったので手の施しようがなかったのですが、このとき助けてくれたのが、同じ階に住む「アル中のお兄ちゃん」でした。濃いキャラ二人目の登場です(^_^;

長くなったので今回はこの辺で!

続編へ続く(^_^)


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2021-01-24

フランスでパンクしたらどうする?

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今回は「備えあれば憂い無し」と言うお話です。

突然ですが、パンクしたらどうしますか?

今回は自分が経験した

フランスでパンクしたらどうする?

をお届けします。

パンクしたら・・・

  • スペアタイヤに交換
  • パンクしたタイヤを修理依頼する

以上、これで解決ですね。

ところがです。自分が経験したタイミングが「夏のバカンス前」でした。さて明日出発しようと言うタイミングでパンクが発覚しました。ではスペアタイヤに履き替えてNorauto(フランスのオー○バックス)に持って行こう!「直してもらって取り付けて明日出発だー!」

でも待って下さい。バカンス前は激混みで予約が取れません。なじみの近所のガレージも閉まっています。

7月の後半から、一般的に全ての機関、行政含めみんなが休むバカンス大国フランスは多くの機能が停止します。機能していても制約があったり遅れたりということが多々あり、日常で出来ることがこの期間は出来ないことになります。またパンクに限って言えば、バカンス以外の期間、どの店のサービスも日曜日は営業していません(^_^; 一般的なガソリンスタンドはほとんどがセルフで修理はやっていません。


ということで、スペアタイヤで長距離を走るのは危険で耐えがたいので、自分で修理をすることにしました。最近はスペアタイヤがない車もあるようで、次に紹介するパンク修理キットが積載されている車もあるようですが、今回はこれを購入して万全な態勢としました。



手動式の簡易タイプや廉価版も存在します

これの良いところは、タイヤを外さなくても修理が可能なのでジャッキアップやタイヤの取り外しが不要なところです。
  1. まず異物(釘)を除去
  2. 修理キットの修理剤装填
  3. タイヤへ空気充填
修理は簡単に終わりました。以下の動画を参照してもらえば初めてでも問題なく出来ると思います。


コンプレッサーはシガーライターを使うタイプで、この器機の場合、4分ほどで空気満タン完了です。
手動式の安いタイプも存在します。また浮き輪やゴムボートにも使用できます。


さてその他のソリューションは・・・

※時間が許せば、保険会社に依頼してレスキューサービスに直してもらうとか、レッカー移動画可能です。保険会社や保険内容により異なるのでしっかり確認して下さい。

※中に泡が充満する「スプレータイプ」の修理キットも存在します。これならお手軽で女性でも簡単に修理ができるのですが、応急処置品となるため改めて正規の修理が必要になりますので注意下さい。

※欧州版JAFが存在します。身近で加入しているひとを聞いたことがないのですが、情報まで⇒ ADCD 

★以下の三角反射盤と黄色ベストは携行義務品なので忘れずに常備下さい!

いかがだったでしょうか?
日本では簡単にできることが、時期やタイミングで出来ないことがあるのが海外生活です。しかしなんとかなるのがフランス。誰かが助けてくれて救われることがよくあります。様々な経験を通して現地の生活に慣れていくわけですが、生活に慣れないうちは「備えあれば憂い無し」の精神に通ずる、今回はそんな一例をご紹介しました。
不便は人を育てます & 自分は修理キットを常備したので今度は誰かを助ける番ですね(^_^;


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2021-01-16

サン=テティエンヌの世界遺産  Le Corbusier <Église Saint Pierre> Firminy コルビジェの<サンピエール教会> フィルミニー市

シェアお気軽に!大歓迎です。

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今回はみっちり地域密着型の発信をします。自分が住むサンテティエンヌの魅力の一つ

ル=コルビュジエのサンピエール教会

を紹介します。

ove-arts-plastiques.overblog.com 
フランス国鉄SNCF Firminy駅から徒歩10分ほどで現地へ到着できます


ル=コルビュジエといえば世界的な近代建築の3大巨匠の一人です。上野にある西洋美術館は彼の設計で、日本にもなじみのある建築家です。

コルビュジエの作品が世界遺産登録されたことでも、歴史上 彼がどれほど偉大な建築家であったかを感じることができます。

トレードマークのめがねと晩年のコルビジェ

動画でGoogle Earth を使い、立地ふくめ紹介しています


そのフランスが誇る世界的な建築家の代表作品の一つが自分が住む町サンテティエンヌにあります。正確に言うとサンテティエンヌ近郊のフィルミニーという別のコミューンになるのですが、地域圏としては同じサンテティエンヌ メトロポールに属する町です。


この町の再開発の一躍をになうべく、教会、陸上競技場、文化の家、スイミング施設、集合住宅(ユイテダビタシオン)を一計画として作り上げました。サンテティエンヌ同様、Firminy(フィルミニー)は炭鉱で栄えた町で、その炭鉱施設と労働者が定住し、町が潤った時代にこの計画が進行し、当時のフィルミニー市長と親交のあったコルビジェが計画を担当することになりました。

今回はその中でも代表的な作品「サンピエール教会」をお届けします。

コルビジェが生涯の中で設計した教会3つの中の一つがこの Église Saint Pierreサンピエール教会です。あとの二つの「ラトゥーレット修道院」と「ロンシャンの教会」もフランスにあります。

コルビジェのデッサン

この教会はコルビジェの没後に完成した建物で、1960年に構想スタートし設計が完成後、着工は彼が亡くなったあとの1973年から。

この状態で数十年放置されていました www.flickriver.com


資金や政治的な問題で一時工事がストップし、2000年に工事再開、2006年に完成しました。

Chezelle.com

鉄筋コンクリートの外観からはイメージできない教会建築ですが、それまでの教会の概念にとらわれない独自性を持った特徴のある外観です。一度見たら忘れませんね。

le Corbusier église saint pierre


特徴的な外観形状のイメージそのままに、内観もコンクリート打ちっぱなしの仕上げ仕様です。特徴の一つ 壁に開けられたいくつもの穴(握りこぶしほどの大きさ)から太陽光が差し込み、その様子はプラネタリウムの星を連想させます

le Corbusier église saint pierre
祭壇(司祭)の後ろの壁が採光部の壁面となる

内部に明かりを呼び込むと共に、穴からの光の筋が壁面に映し出され、いくつもの光の帯が時間と共に内部を通り過ぎます。建物外観の形状と角度はこの光線が映し出されることをイメージして作られたと言われています。はたして光の配置まで完璧に計算された形状なのか、その真相は定かではありません。ただし外観から続く内部の傾斜と角のR形状により、光の帯が生きている様な姿と、季節と時間の移り変わりを滑らかに映し出す幻想的な光景です。

le Corbusier église saint pierre


採光部と、外壁の半円形のツバは、採光穴への斜面の雨水流入防止用の雨よけです

le Corbusier église saint pierre

le Corbusier église saint pierre

あわせて頂上部とその付近に採光用のトップライト(天窓)と、壁面の通路部に採光スリットが設けられており、この教会の礼拝スペースには照明はありません。(間接照明のみ)

le Corbusier église saint pierre

採光部を解説した図解 ginorinaldi.com


トップライトと採光スリットはコルビジェの他の建築でも見られる「コンクリートへの直接塗装」による色のついた面の「光の反射」を利用した採光方法で、教会のステンドグラスを思い起こさせると共に、自然な調和の取れた光を取り入れるのに一役買っています。

le Corbusier église saint pierre

塗装で利用される4色は他の建築でも利用されたコルビュジエの哲学、「人生に不可欠な喜び」と提唱された4色です。コンクリート打ちっぱなしの無機質な空間をさりげなく彩る不等間隔のスリットと4色の調和が空間を引き立てます。

黄色 太陽
青 空間
緑 自然
赤 命
le Corbusier église saint pierre
まるで色のついた光が差し込んでいるかのような採光方法
室内空間を演出し、教会にあるステンドグラスを思い起こさせる独特な手法


現在ももちろん礼拝堂として利用されているのですが、センターフロアはコルビジェを紹介する常設スペース、芸術家やアートイベントの臨時の展示スペースとなっています。

le Corbusier église saint pierre

階段またはエレベータで上階へ上ると礼拝堂にたどり着くのですが、外部背面にスロープによる車寄せが儲けてあり、礼拝者、とくに高齢者や車椅子も外部から直接 自動車でアクセスが可能です。

この建築を見に自分の友人や関係各位が沢山訪れ、自分は合計10回以上は訪れています。しかしその魅力と迫力は、何度訪問しても圧倒されると共に、色あせない新鮮さがあります。



Le Corbusier
ル・コルビュジエ (1887~1965)は、スイスで生まれフランスで活躍した近代建築の礎を築いた20世紀を代表する建築家です。当時は画家として活動をはじめ、ピカソなどとも交友がありました。

数々の建築理論や独自の構想を提唱
  • 鉄筋コンクリートを用いた建築理論「ドミノ・システム」
  • 現代社会を見据えた理想的環境の都市造りを構想した「輝く都市」
  • 身体に合う建築寸法の黄金比「モデュロール」により実現させた「近代都市の5原則」
これらにより近代建築に革新的な影響を与えると共に、世界中の多くの都市計画や構想に関わりました。
ピロティ、屋上庭園、自由な平面、横長の窓、自由なファザード、当時の彼が提唱した建築の5原則はいまでも色あせず、その功績と建築物が世界遺産として2016年に登録されました。

コルビジェの代表的な設計基準の理論であるModulorモデュロール
このモデュロールのコンクリート製のモチーフが同じフィルミニーのユニテダビタシオンにあり、人気の撮影スポットです。このモデュールを使った様々なアイテム、およびコルビジェ関連の書籍などは教会内の受付でお土産として買うことが出来ます!


le Corbusier église saint pierre


現地の案内サイト 入場料6,5€ 毎月第一日曜日はタダのようです(2021年1月現在)
団体割引やその他の施設を含めたツアーガイドもあります。詳細は下記サイトを確認下さい!

いかがだったでしょうか?
この教会以外にも同じ敷地内にある陸上競技場と文化の家、および少し離れた場所に位置する集合住宅(ユニテダビタシオン)が見所です。世界遺産登録後は建築関係者のみならず世界中からツーリストが来るスポットとなりました。お近くにお越しの際には是非お立ち寄り下さい。
個人的にはフランスで「コルビジェの教会建築めぐり」をしたいと思っているのですが、ロンシャンの礼拝堂は今回のサンピエールと同様印象に残る外観の建築でお勧めです!ラトゥーレット修道院は申し込みをすると内部に宿泊することが出来るそうです。




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