2021-01-16

サン=テティエンヌの世界遺産  Le Corbusier <Église Saint Pierre> Firminy コルビジェの<サンピエール教会> フィルミニー市

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 Bonjour 町工場社長の地域密着型ブログへようこそ 

今回はみっちり地域密着型の発信をします。自分が住むサンテティエンヌの魅力の一つ

ル=コルビュジエのサンピエール教会

を紹介します。

ove-arts-plastiques.overblog.com 
フランス国鉄SNCF Firminy駅から徒歩10分ほどで現地へ到着できます


ル=コルビュジエといえば世界的な近代建築の3大巨匠の一人です。上野にある西洋美術館は彼の設計で、日本にもなじみのある建築家です。

コルビュジエの作品が世界遺産登録されたことでも、歴史上 彼がどれほど偉大な建築家であったかを感じることができます。

トレードマークのめがねと晩年のコルビジェ

動画でGoogle Earth を使い、立地ふくめ紹介しています


そのフランスが誇る世界的な建築家の代表作品の一つが自分が住む町サンテティエンヌにあります。正確に言うとサンテティエンヌ近郊のフィルミニーという別のコミューンになるのですが、地域圏としては同じサンテティエンヌ メトロポールに属する町です。


この町の再開発の一躍をになうべく、教会、陸上競技場、文化の家、スイミング施設、集合住宅(ユイテダビタシオン)を一計画として作り上げました。サンテティエンヌ同様、Firminy(フィルミニー)は炭鉱で栄えた町で、その炭鉱施設と労働者が定住し、町が潤った時代にこの計画が進行し、当時のフィルミニー市長と親交のあったコルビジェが計画を担当することになりました。

今回はその中でも代表的な作品「サンピエール教会」をお届けします。

コルビジェが生涯の中で設計した教会3つの中の一つがこの Église Saint Pierreサンピエール教会です。あとの二つの「ラトゥーレット修道院」と「ロンシャンの教会」もフランスにあります。

コルビジェのデッサン

この教会はコルビジェの没後に完成した建物で、1960年に構想スタートし設計が完成後、着工は彼が亡くなったあとの1973年から。

この状態で数十年放置されていました www.flickriver.com


資金や政治的な問題で一時工事がストップし、2000年に工事再開、2006年に完成しました。

Chezelle.com

鉄筋コンクリートの外観からはイメージできない教会建築ですが、それまでの教会の概念にとらわれない独自性を持った特徴のある外観です。一度見たら忘れませんね。

le Corbusier église saint pierre


特徴的な外観形状のイメージそのままに、内観もコンクリート打ちっぱなしの仕上げ仕様です。特徴の一つ 壁に開けられたいくつもの穴(握りこぶしほどの大きさ)から太陽光が差し込み、その様子はプラネタリウムの星を連想させます

le Corbusier église saint pierre
祭壇(司祭)の後ろの壁が採光部の壁面となる

内部に明かりを呼び込むと共に、穴からの光の筋が壁面に映し出され、いくつもの光の帯が時間と共に内部を通り過ぎます。建物外観の形状と角度はこの光線が映し出されることをイメージして作られたと言われています。はたして光の配置まで完璧に計算された形状なのか、その真相は定かではありません。ただし外観から続く内部の傾斜と角のR形状により、光の帯が生きている様な姿と、季節と時間の移り変わりを滑らかに映し出す幻想的な光景です。

le Corbusier église saint pierre


採光部と、外壁の半円形のツバは、採光穴への斜面の雨水流入防止用の雨よけです

le Corbusier église saint pierre

le Corbusier église saint pierre

あわせて頂上部とその付近に採光用のトップライト(天窓)と、壁面の通路部に採光スリットが設けられており、この教会の礼拝スペースには照明はありません。(間接照明のみ)

le Corbusier église saint pierre

採光部を解説した図解 ginorinaldi.com


トップライトと採光スリットはコルビジェの他の建築でも見られる「コンクリートへの直接塗装」による色のついた面の「光の反射」を利用した採光方法で、教会のステンドグラスを思い起こさせると共に、自然な調和の取れた光を取り入れるのに一役買っています。

le Corbusier église saint pierre

塗装で利用される4色は他の建築でも利用されたコルビュジエの哲学、「人生に不可欠な喜び」と提唱された4色です。コンクリート打ちっぱなしの無機質な空間をさりげなく彩る不等間隔のスリットと4色の調和が空間を引き立てます。

黄色 太陽
青 空間
緑 自然
赤 命
le Corbusier église saint pierre
まるで色のついた光が差し込んでいるかのような採光方法
室内空間を演出し、教会にあるステンドグラスを思い起こさせる独特な手法


現在ももちろん礼拝堂として利用されているのですが、センターフロアはコルビジェを紹介する常設スペース、芸術家やアートイベントの臨時の展示スペースとなっています。

le Corbusier église saint pierre

階段またはエレベータで上階へ上ると礼拝堂にたどり着くのですが、外部背面にスロープによる車寄せが儲けてあり、礼拝者、とくに高齢者や車椅子も外部から直接 自動車でアクセスが可能です。

この建築を見に自分の友人や関係各位が沢山訪れ、自分は合計10回以上は訪れています。しかしその魅力と迫力は、何度訪問しても圧倒されると共に、色あせない新鮮さがあります。



Le Corbusier
ル・コルビュジエ (1887~1965)は、スイスで生まれフランスで活躍した近代建築の礎を築いた20世紀を代表する建築家です。当時は画家として活動をはじめ、ピカソなどとも交友がありました。

数々の建築理論や独自の構想を提唱
  • 鉄筋コンクリートを用いた建築理論「ドミノ・システム」
  • 現代社会を見据えた理想的環境の都市造りを構想した「輝く都市」
  • 身体に合う建築寸法の黄金比「モデュロール」により実現させた「近代都市の5原則」
これらにより近代建築に革新的な影響を与えると共に、世界中の多くの都市計画や構想に関わりました。
ピロティ、屋上庭園、自由な平面、横長の窓、自由なファザード、当時の彼が提唱した建築の5原則はいまでも色あせず、その功績と建築物が世界遺産として2016年に登録されました。

コルビジェの代表的な設計基準の理論であるModulorモデュロール
このモデュロールのコンクリート製のモチーフが同じフィルミニーのユニテダビタシオンにあり、人気の撮影スポットです。このモデュールを使った様々なアイテム、およびコルビジェ関連の書籍などは教会内の受付でお土産として買うことが出来ます!


le Corbusier église saint pierre


現地の案内サイト 入場料6,5€ 毎月第一日曜日はタダのようです(2021年1月現在)
団体割引やその他の施設を含めたツアーガイドもあります。詳細は下記サイトを確認下さい!

いかがだったでしょうか?
この教会以外にも同じ敷地内にある陸上競技場と文化の家、および少し離れた場所に位置する集合住宅(ユニテダビタシオン)が見所です。世界遺産登録後は建築関係者のみならず世界中からツーリストが来るスポットとなりました。お近くにお越しの際には是非お立ち寄り下さい。
個人的にはフランスで「コルビジェの教会建築めぐり」をしたいと思っているのですが、ロンシャンの礼拝堂は今回のサンピエールと同様印象に残る外観の建築でお勧めです!ラトゥーレット修道院は申し込みをすると内部に宿泊することが出来るそうです。




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