これまで日本の状況を見守りつつ、フランス ロックダウンの中で約2ヶ月生活してきました。人が多く死ぬと言うことになれてしまった自分がそこにいて、どういう時代に生きているのか改めて考えさせられます。数十人が死ぬテロ事件が起きればそれは大惨事だったのに、いまや300〜400人が毎日死んでいく報道がされる中でこの現状をどう理解すれば良いのか、自分自身、非常に苦しみます。
5月6日(水)の時点で一日の死者数は278人(老人介護施設で100名程度)、これまでの合計が25,809人。日本に比べれば桁違いな数字ですが、状況は改善された傾向にあります。
そんな中でいよいよフランスは
5月11日(月)よりロックダウンが解除
になります。解除といっても地域間で差があり、段階的な解除がはじまるという開始日となります。
かいつまんで説明します。
- 感染状況 地域マップ
- 外出証明書の携帯が不要
- 学校の再開
- 100kmの制限付き移動許可
- レストラン・カフェ関連はなお開店できず
細かい制限はまだ沢山有るのですが、大きい流れは以上のようになります。
1.感染状況地域マップ
政府は色つきのMAPを用意して、その地域の状況を赤色と緑色に分けて区分けします。
フランス政府データ 発表のサイトより |
2.外出証明書の携帯が不要
これまで全ての外出時には証明書が必要でした。一日に一回許された1㎞圏内の散歩にも証明書が必要でした。違反すると数百ユーロの罰金です。再犯が続くと禁固刑まで発展します。自分は毎日仕事に出ていましたが、毎日この証明書を記入して外出します。二度ほど検問に会い、会社が発行する証明書と自分で作成する証明書をガラス窓越しに見せて通過しました。
3.学校の再開
5月11日(月)が解禁日となりましたが、学校により開始日が異なる、または開始しない判断をする学校もあります。夏休み明け以降(9月)の再開を宣言するところもあります。感染リスクと学校生活を秤にかけてどちらを取るのか?開始を決定した学校でも親の判断で登校しない子供も多く出るようです。
開始の判断をした学校では、15人以下の授業体制で隔日、または午前と午後で時差登校をするなど工夫はされています。学校から、登校の可否について親の判断を要求されたので、自分は登校するという決定をしましたが、自分もまだ半信半疑です。他の親たちがどういう判断をするのか興味深いところです。全国的には半数以上が反対を示しているという報道もあります。
4.100kmの制限付き移動許可
移動に関しては100kmの移動が許可され、または所属の県内限定の移動が許可されます。公共交通機関利用の場合はマスクが義務化となります。違反すると罰金です。
5.レストラン・カフェ関連はなお開店できず
5月末に営業再開の詳細が発表されるようですが、一番最初に制限を受けたレストラン関連が最後まで影響を受け続ける形となりそうです。
冒頭で紹介した政府データによるサイトですが、
- マップ
- 死者数、感染者数推移
- テスト数とその結果
- 感染者、重傷者の移動経路と数
- 国が企業に対する保証の金額や業種、失業者扱いの労働者数
等が見て取れます。非常に見やすいです。これまで感染者数が主要だった指標が今後は検査数、企業保証へとシフトしていくのではないでしょうか?
100年前のスペイン風邪は終息まで2年近く掛かったと言われているようです。まだ数ヶ月しか経っていないんですね。ウィルスの変質がもし起こるとするならば、できるだけ短期間に集中して自粛を行い、変質が現れる前に終息したいところですが、経済、学校とのバランスは難しい判断となります。
今回の危機がどれほどの期間で終息を迎えられるのか、こんな話をするのはまだ時期尚早と言い聞かせて、我々の意識と行動を今一度見つめ直したいと思います。
日本とは規模感が違いますが、このような状況下でのフランスのロックダウン解除でした。日本との比較は単純には出来ませんが、コロナ先進国として引き続き状況を発信して参ります。
最後に
丁度一ヶ月前のブログでお伝えした人の移動に関するGoogleのMobility Reportを現在と比較してみます。
(レポートの見方→コロナ前平常時を100%としたときの移動の回数の増減の指標)
人の移動が日仏でどのくらい変わったのか指標としてお伝えします。
※日本の現状の方がフランスの一ヶ月前と比べても人の移動は断然多い。やはり拘束力がない、罰金がないという違いは大きいと感じます。
🇫🇷フランス全国 最新の詳細レポートはこちら
🇯🇵日本 最新の詳細レポート各都道府県データはこちら
移動が増えたか減ったかわかりやすい指標です |
それでは。 À bientôt ! あ びあんとぅ!