2020-06-22

フランス ロックダウンからこれまでの歩み 解除フェーズ3

Bonjour 町工場社長の地域密着型ブログへようこそ

今日は6月22日(月)

ロックダウン段階的解除 フェーズ3

を迎えました。
これまでのフランスでのロックダウンに伴う制限と解除の履歴、そして生活の様子を現地目線でお届けします。

これまでの歩み

3月中旬に外出制限や移動制限が開始  過去記事 ロックダウン20200315
  • レストランなど閉店
  • 移動時の証明書持参、罰金制度
  • 55日間

5月11日から段階的解除が開始 フェーズ1 過去記事 フランス ロックダウン解除 2020.5.11
  • 100㎞以内の移動可
  • 小学校開始(衛生管理に基づく限定的再開、登校は親の判断による)

6月2日(火) フェーズ2開始
  • 国内移動制限解除
  • レストランなど制限付きで営業許可

6月15日(月) フェーズ3
  • 欧州シェンゲン内での移動解除
6月22日(月)
  • 小中学校の通常授業開始(基本全員登校 実質バカンスまで2週間 8日だけの登校)
  • 団体スポーツ 一部再開
  • 映画館再開
6/22 感染者数 前日比+373 死者+23(累計約3万人)
https://dashboard.covid19.data.gouv.fr/vue-d-ensemble?location=FRA

日常生活


「ウィルスはいつもそこにいる」と公共放送で謳われていますが、週末の賑わいはもう以前の通りと言った印象です。
先週末に床屋に行きました。マスクや衛生管理はしっかり励行されていました。お客さんに来てもらうためですね。もちろん完全予約制なのですが、人を同時に待たせない工夫や予約のシステムをネットにするなど新しい試みがされていました。ただしどこもコロナ前より値上げがされています。19€から20€へ1€値上げされていました。

外食産業は第二フェーズから持ち帰りが可能でレストランは積極的にテイクアウトを行っていました。我が家もピザ、ケバブをお持ち帰り。まだレストラン自体へは足を運べていません。

大手スーパーへ足を伸ばすようになったのですが、マスク装着率は20%程度。家族全員が付けている家庭もあれば、奥さんだけなど、装着パターンはまちまちです。フランスらしい!

職場では挨拶などはまだ接触を伴わない事が徹底されています。マスク装着率は1割程度です。時々付ける人?もいるのでこちらもまちまちです笑

経済活動

復興が思わしくなく、影響は甚大です。製造大手メーカーでは人員削減が積極的に行われていて、その影響は多くのサプライヤーにまで及んでいます。航空機産業はグローバル市場なので、影響は世界的な沈静化まで続くとみられています。
自動車メーカーもルノーは政府支援を受けたり、大きく揺らいでいます。
バカンス明けまでは大きな進展は見られない模様です。

人の動き Google Mobility Report こちら 

  • レクレーション −25% まだ本格的な復興には至っていません。観光業の打撃は深刻です。
  • 購買活動 −3% ほぼ日常に戻りました。
  • 公園 +41% 正確な理由は分かりませんが、まだ本格的なレジャーまで及べないので、近くの公園や近隣の施設で過ごすという人が多いかと思われます。

  • 公共交通機関 −26% まだ業種によりテレワークが続いているため、交通機関の移動は完全復帰していないです。またマスクの着用義務化など制限もあります。そんな影響からか中古車が売れているというまことしやかな話も聞きました。先週末はシトロエンの正規中古代理店が日曜日にもかかわらず全国的に営業をしていました。(補足→フランスは日曜日は通常ほとんどの店が休みなので、これは画期的なことなんです!)
  • 職場への移動 +14% 表を見て分かるとおり、浮き沈みが激しいです。平均すると−20%程度ではないでしょうか?
  • 近所の散歩 +1% これまで移動できなかった影響でこの数値だけはつねに+でしたが、やっと平常値に戻りました。
もう春から欧州は日が長くなり、夜の10時前まで明るい時間帯が続きます。逆に冬は日照時間が少ないので、暗い時期を過ごします。そんなサイクルから今の季節はバカンス前の心待ちにした心躍る季節なんですね。生活4年目、そのリズムが体に染みつきつつあります。
これからバカンスに向けて心躍る国民性ですが、しっかりマスクを付けているフランス人を見ると「はっ」と気づかされます。流させそうになる自分もいたりするのですが、もう少しマスクを付けて意識を維持したいと思います。

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それでは À bientôt ! (あ びあんとぅ!)

2020-06-21

雹(ヒョウ)害 sinistre grêle

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フランスはロックダウン段階的解除「第3幕」がはじまりました。みなさまいかがお過ごしでしょうか?

遡ること一年前。我が町に雹が降りまして、その

被害とその後のあれこれ

お届けします。

2019年6月15日土曜日

この日は午前中に息子が剣道を始めるというので地元の道場に見学に訪れていました。
「赤門道場」サンテティエンヌの由緒ある道場で、欧州チャンピオンも輩出する実績のある道場です。ここの道場を開設した創始者のムッシューは御年90を超えていますが、いつも道場に足を運んでいらっしゃいます。ここで世間話をしているときに「今日の午後は天気が荒れるらしいから注意してね」と言われたことが今振り返ると頭から離れないのですが、今となっては老婆心のように思えてなりません。地域がら、天気が荒れることはよくあることなので、そのときは大して気に留めていなかったのですが・・・
この日は日本から友人が来仏する日で、午後にリヨン空港まで迎えに行く予定でした。
道場から帰宅後、車をまた午後に使うので路上に一時的に駐車しました。このときあの言葉を思い出してガレージに駐めておけば難を逃れることが出来たのですが・・・
昼過ぎ、自宅にいたのですが、轟音を立てて雹が降り始めました。その光景にあっけにとられるだけでした。


何とゴルフボール大の大きさ!




マンションの三階、雹が西側のガラス戸をたたき始めたので慌てて雨戸を閉めました。フランスでよくあるプラスティック製の巻き取り式の雨戸です。ところが雹の勢いが激しく、雨戸を突きやぶって穴が空いてしまいました。

もうその光景にあっけにとられていて、呆然としていたのですが、ふと車を外に止めていたのを思い出し、ベランダから下の車を見たら、数十台と駐めてあった他の車同様、見事に雹にたたかれて打音(カンカカンコーン)が響き渡っていました。車庫に戻すためあわてて帽子だけかぶって雹の中を車まで走り、エンジンをかけガレージに戻したのですが、ときすでに遅し。どこもかしこもでこぼこになりました。  

このピラーの硬いところまでしっかり雪平鍋状態!
写真では伝わりにくいのですが、全ての面が雪平鍋

プラスティックパーツは見事に被害に!



町の様子
町に降った雹が低いところに転がって集まった交差点付近


公園の木々は葉がもぎ取られました


翌週、保険会社指定のガレージ(町の修理工場)に車を持っていき、査定。ところが話ではこのガレージだけで100台以上が修理を待っているので当分待たなくてはいけないと。いつまで?と聞いても「さっぱり分からない!」とのつれない返事。しかし丁度バカンス前の時期だったので、バカンス明けの9月以降に何らかのアクションが無ければもう一度問い合わせしようという心づもりでやり過ごしました。

2019年10月

ところが10月になっても11月になっても音沙汰無く、保険会社に問い合わせしても「連絡がいっているはずだ」と言われるだけ。ところがじつは指定のガレージが変更になっていて、別のガレージから連絡が来ていたようなのですが、こちらには変更連絡もなく、またガレージにもこちらの連絡先がしっかり伝わっていなかったようで、自分の会社のHPのコメント欄に、まぁ良くある勧誘コメントのような感じでメッセージがあり、自分はそれを見逃していました。なぜ彼らがそこに連絡したのか今も謎です。なんで保険会社からこちらの連絡先が伝わっていなかったのか?もう「フランスあるある」と腹をくくるしかありません笑

2019年12月

そのメッセージを12月に見つけたので、早速連絡。ガレージ(修理工場)では無く、自動車災害を見積もる専門会社でした。指定の日に出向くことになったのですが、一向に指定日の連絡が無く、年明け。

2020年2月

そしてやっと2月になって連絡があり、その査定会社へ車を持ち込み。
専門員が5分くらいかけて被害を査定、のちほど内容を送る、とのこと。
待つこと数週間、一通の正式文書が届きました。
3つのソリューションが提示されました。
  1. 修理費用として4000€の支払い
  2. 保険会社による買い取り 2500€
  3. そのまま現状維持
自分はてっきり修理費用だけもらって適当に直して車両を売り払えば儲かると思っていたのですが「1」に関しては諸手続が山盛りでした。修理したらその履歴を県庁に届けなければならない。また車両売買時にその証明書を発行しなければならない。そして修理費用は見積もり決定額であって、修理時にもし費用がオーバーしても保険会社は費用を負担しない。と言うものでした。
新しい車なら検討の余地はあるのですが、もう10年落ちの190,000kmの車両だったので「2」の買い取りを決意。
ただし車の一般的な評価額が見えなかったので同僚に相談したところ、車種、グレード、年式と走行距離を入力するとおおよその評価額が出るサイトを教えてもらい、評価したら何と4000€。自分の中では2500でも十分いい話であると思っていたのですが、以外にも高値でした。
日本に比べると中古車市場は高く、走行距離が多くても普通に売買される土地柄です。フランスはディーゼル車でマニュアルがほとんどなので、ヘタレにくいと言うのもあるかもしれません。ある日、飛び込みで別の販売店で「車を買い換える」という条件で査定してもらったのですが、結局「0€」でした。

2020年3月

この3選択肢の中から回答を一ヶ月以内に返事をしなければならず、一ヶ月を少し前にして「2.」を宣言したところ、3月初旬、すぐにCovid渦がやってきて、ロックダウン、棚上げ状態に!!!
ここまでじゅうぶん待ちましたが、さらに。。。しかしもう待つしかありませんね。「指定された一ヶ月」も過ぎてしまったが案の定ロックダウン中でどことも連絡がつかず。自分は仕事があったので毎日車を使いながら過ごしていましたが、運悪くサスペンションが壊れるという災難に・・・
幸い会社に出張用のレンタカーがあり、コロナ渦の中、誰も使わないので借りられることに。

2020年5月

時は過ぎて五月後半。ロックダウンの解除がはじまり、やっと査定会社も業務開始となり、連絡再開。指定の一ヶ月は過ぎているが、宣言は有効なので書類の日付を空欄にするよう指示があり、その他を全て記入して持ち込むことに!

2020年6月

その直後、車両の引き取り。電話があってすぐ翌日引き取られ、ドナドナ書類の不備を指摘されている最中だったのですが、車両引き取りが先というこれまたフランスらしい対応!
フランスで初めて買った、思い入れのある戦友でしたが、あまりにも急だったので感傷に浸る時間も無かく、めでたく引き取られて手続き完了しました。

引き取られたのが2020年6月9日、雹害から丁度一年。ロックダウンもあり、故障もあり、今思うとひじょーに長かったです笑

子供達にとっては色々なところへ連れて行ってくれたよき相棒でした
速攻作業でレッカーで持ち去られました

雹害はレアケースかもしれませんが、こう言った査定会社の査定方法とソリューションが提示されること、その内容に触れることが経験出来ました。
手続きごとはすんなりいかないのがフランス・・・しかし最後にはなんとかなるのもフランス。さてこれから次の車を探さねば!
しかし町中至る所に「でこぼこ雹車」が未だに存在するが、保険を使わずにそのままにしているのか?
車に関してはあまり見た目とか気にしない国民性なので、気にならないんでしょうね!!また雹が降るかもしれないしね(^_^;
年配者の忠告と天気予報にはご用心!

雨戸もつい先日、大家の手配で修理屋が来て治りました。これも一年。。。笑
共用部の屋上天窓を打ち付ける音

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2020-05-21

フランス ロックダウン解除後の人の動き Googleコミュニティ モビリティ レポート

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度々ご紹介しているGoogleコミュニティモビリティレポートです。
フランスでは約55日間に及ぶロックダウン状態が、全国的に5月11日(月)からロックダウンの段階的解除がはじまりました。
しかしながら、報道によると、人々の様子はせきを切ったように外出し、ソーシャルディスタンスが守られていないというネガティブな報道が多いです。パリ セーヌ川沿いでも人があふれ、この様子を見た首相が怒り心頭でパリ市長にパトロールの緊急要請を出したとか!
5月11日(月)のセーヌ川の様子
その怒り、すっごく分かります笑
自分の近所でも、もうコロナがどこかに行ってしまったかのように、騒ぐ人、友人同士で集まる、マスク無しで話す、言い出したらきりが無いですが、いわゆるロックダウン前の状態に戻ってしまった人が多く見られました。

段階的解除がはじまっただけで、基本姿勢は

Restez à la maison→Reste prudent
ちゃんと家にいてね→慎重に留まってね!

という、いわゆる今までの基本姿勢を尊重しながら段階的解除をしましょう、ってこと。
まぁこういう人たちが目立ってしまうのは報道されやすいからですが、実際には人の動きはどのように変化しているのでしょう。度々利用しているGoogle のコミュニティモビリティレポートを利用して数値を使い、

ロックダウン解除「前」と「後」

で比較してみます。

前回の「日本との比較」では、フランスと比べ、日本の緩さ(人の移動の多さ)が目立ちました。とはいってもフランスの場合は罰金などの拘束力が強いため、また外出証明書を都度持参しなければならず、家に留まるを得ませんでした。今回は純粋にフランスだけで、解除前と解除後の比較です。

  • レクレーション ショッピングセンター、映画館、レストラン、カフェなどに関する移動は、5/11の制限解除後も、まだほとんど制限が延長されているため、増加率は3割ほど。
  • 購買 生活必需品の食料などの購買のための移動  制限当初は買いだめがあり、その後緊張感の中で外出自粛による買い控えが心理的にあり、その後精神的に落ち着いたのか定期的に買い物には出かける状態であったというのが個人的な感想です。解除後は外出証明書などの持参が義務化で無くなったので、コロナ前と比べて10%の減少だけでに留まっている。自分の偵察では、これまで閉められていた「日曜大工店、スポーツショップ、園芸店、家電量販店」などが再開し、平日から激混みでした。
    上下の波は多め
  • 公園 こちらも外出制限に加え、閉鎖されていたので入ることもできず、制限中は8割前後の減少でしたが、3割減まで回復
  • 仕事場 制限中と変わらず半分以下の移動、企業の活動は開始されているが、受注が戻らないため、社員半分ほどが未だ休んでいると言う状況、政府の休業補償も約一ヶ月延長されました。
    週末、祝日の影響で波があるものの、約半数のいう結果
  • 自宅付近 平時に比べて「+」の数値、これはコロナ前に比べて移動が増えたことを表します。制限中は半径1キロ以内という移動制限があったので近所をふらつくしか無かったのでコロナ前と比べて増加です。解除後は制限が無くなりました。しかし自宅待機のままの人が多いので、自宅付近の散歩や買い物が多いのではないでしょうか?遠出をせず、まだ危機感が強い人がいるという現れか?


購買に関しては人の移動がコロナ前に近づいている印象ですが、企業活動は依然として半分以下の状態が続いています。世界規模ではまだロックダウン解除になっていない地域もあり、国と国との移動も制限が多いです。
フランスは小学校は7月からバカンスがはじまります。小学校は解除とほぼ同時に再開されたものの、あと約一ヶ月後にバカンスが控え、再開しない学校もある中、再開しても登校させない家庭もあります。共働きが普通であるフランスでは、企業活動を開始するために学校の再開が必要条件ですが、経済の回復が遅れているので、学校の再開の時期に追いついていません。

制限解除で人のストレスが解放されたことの良い点があるものの、第二波を警戒しながらウィルスとの共存、経済活動の復興を模索しなければなりません。

日本の場合は、罰金などによる強制力が弱いので、ロックダウン解除前・後の人の移動の変化が欧州と比べて大きくないように予想されますが、またデータが取れたら比較してみたいと思います。これから来る日本の主要都市の解除に向けてフランスの例が参考になれば幸いです。


政府の制限解除の啓蒙VTR 手洗い、対人間距離、
など細かく謳われています。ちゃんと守っている人はあまり見かけません。

それでは À bientôt ! (あ びあんとぅ!)

2020-05-10

フランス ロックダウン解除を直前に控えて!

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5月11日(月)のロックダウンの段階的解除を前にして、今回は地域密着型!

自分の身の周りの環境の変化

についてお伝えします。


  1. 自宅近辺での様子の変化
  2. 感染リスクの増大
  3. ウィルスとの共存
  4. 学校の再開
  5. 最後に



1.自宅近辺での様子の変化

Saint Etienne(サンテティエンヌ)という地方都市です。
5月10日(日)の12時まではConfinement(外出規制)いわゆるロックダウン状態なので、外出に対するルール(外出証明書の持参、1時間のみ、半径1キロ以内に限り行動可)が続いています。(解除の内容は前回記事参照コチラ
しかし今週末は金曜日から3連休だったこともあり、また陽気もよく、皆これまで「55日間」 我慢してきましたが、この週末からもうコロナがどこかへ行ってしまった様な雰囲気でこれまでの空気が一変しました。

いつものように住宅街の中を1時間の散歩をすると、広場では高校生ぐらいでしょうか?10人以上集まってサッカーや遊びに興じています。
ロックダウンの段階的解除以降も団体スポーツはまだ禁止です。

住宅街を歩くと、友人?親戚?子連れで家に遊びに来ている様子がうかがえたり、庭のプールに集う7−8人程度、どう見ても一家族ではないですね。みんな集まっちゃってます!楽しそうです!!

解除以降は証明書の持参が必要なく、1時間以上でも外出できますが、ソーシャルディスタンスの確保はひきつづき謳われています。

2.感染リスクの増大

5月11日(月)以降、レストランなどを除く一般の店舗の営業が制限付きではあるが開始されるので、もちろん人同士の接触の機会は増え、ウィルスがどのくらい減ったのか確認出来ない状況の中で「ウィルスが運ばれるリスク」というのはこれまでよりも増えると言わざるを得ません。その中でウィルスと共存する道を探さなければなりません。

3.ウィルスとの共存

死者数や感染者数が減った事により今回の段階的解除が発表されたのであるが、解除後に何が基準でどう行動するべきか、まだ悩ましいです。できるだけこれまでの制限を尊重するという考え方が基準であるべきだと考えます。
自分もこれまでロックダウンの中で仕事を続けて他の社員との接触が多くありましたが、みな移動制限の効果で第三者との触れ合う機会が限定されていたはずです。今後はそれが増え、その状態で職場に集うことになります。

4.学校の再開

学校からの事前の説明がありました。それによると、準備は万全に感じるが、「これ本当に全員ができるの?」といえそうな難易度の高い項目が多いです。
子供は感染があっても重篤化がほとんど無いと言われているが、ウィルスを運搬する可能性はあり、また学校側の衛生管理がどれほど徹底できるのか、はじまってみないと分かりません。普段のインフルも子供がしっかり運んできて親が羅漢するといった事はよくあるので(^_^;
地域や学校の規模によって、そういった予防活動の完遂が出来ないと判断した学校は再開が遅れる、または9月からという判断になったことと察します。

5.最後に

個人的な所感ですが、これまでのフランス政府の対応は正しい方向性が貫かれたと思います。おかげで欧州隣国に比べて感染者、死者数はいまのところ低く押さえ込まれています。
しかし段階的解除に対する、大統領も言った「ウィルスとの共存」は政府の号令ではなく“一人一人の意識”に掛かる部分が大きいと感じます。これからフランス国民が現状の危機意識をどのように感じ、行動するのか、見守っていきたいと思います。

この週末の様子の変化を感じた限りでは、 暖かくなった陽気   と  バカンス  に向かって、開放的なラテン魂  が危機意識を邪魔しなければ良いと危惧しているところです。

お店を応援するとか、レストランのお持ち帰りをこれまで以上に積極的にやるなど、環境は整い始めたと思います。ですが上半身裸で仲間と集まってギャーギャーやるのはもう少し待ってくれ!っと心の中で叫ぶ。

それでは À bientôt ! (あ びあんとぅ!)

2020-05-08

フランス ロックダウン解除 2020.5.11

Bonjour 町工場社長の地域密着型ブログへようこそ



これまで日本の状況を見守りつつ、フランス ロックダウンの中で約2ヶ月生活してきました。人が多く死ぬと言うことになれてしまった自分がそこにいて、どういう時代に生きているのか改めて考えさせられます。数十人が死ぬテロ事件が起きればそれは大惨事だったのに、いまや300〜400人が毎日死んでいく報道がされる中でこの現状をどう理解すれば良いのか、自分自身、非常に苦しみます。
5月6日(水)の時点で一日の死者数278人(老人介護施設で100名程度)、これまでの合計が25,809人。日本に比べれば桁違いな数字ですが、状況は改善された傾向にあります。


そんな中でいよいよフランスは
5月11日(月)よりロックダウンが解除
になります。解除といっても地域間で差があり、段階的な解除がはじまるという開始日となります。

かいつまんで説明します。

  1. 感染状況 地域マップ
  2. 外出証明書の携帯が不要
  3. 学校の再開
  4. 100kmの制限付き移動許可
  5. レストラン・カフェ関連はなお開店できず


細かい制限はまだ沢山有るのですが、大きい流れは以上のようになります。



1.感染状況地域マップ


政府は色つきのMAPを用意して、その地域の状況を赤色と緑色に分けて区分けします。
フランス政府データ 発表のサイトより
パリを含む北側が赤色で感染者数、死者数の多い地域です。緑色の地域は赤に比べると改善が見られている地域となります。


2.外出証明書の携帯が不要



これまで全ての外出時には証明書が必要でした。一日に一回許された1㎞圏内の散歩にも証明書が必要でした。違反すると数百ユーロの罰金です。再犯が続くと禁固刑まで発展します。自分は毎日仕事に出ていましたが、毎日この証明書を記入して外出します。二度ほど検問に会い、会社が発行する証明書と自分で作成する証明書をガラス窓越しに見せて通過しました。


3.学校の再開


5月11日(月)が解禁日となりましたが、学校により開始日が異なる、または開始しない判断をする学校もあります。夏休み明け以降(9月)の再開を宣言するところもあります。感染リスクと学校生活を秤にかけてどちらを取るのか?開始を決定した学校でも親の判断で登校しない子供も多く出るようです。
開始の判断をした学校では、15人以下の授業体制で隔日、または午前と午後で時差登校をするなど工夫はされています。学校から、登校の可否について親の判断を要求されたので、自分は登校するという決定をしましたが、自分もまだ半信半疑です。他の親たちがどういう判断をするのか興味深いところです。全国的には半数以上が反対を示しているという報道もあります。


4.100kmの制限付き移動許可


移動に関しては100kmの移動が許可され、または所属の県内限定の移動が許可されます。公共交通機関利用の場合はマスクが義務化となります。違反すると罰金です。


5.レストラン・カフェ関連はなお開店できず


5月末に営業再開の詳細が発表されるようですが、一番最初に制限を受けたレストラン関連が最後まで影響を受け続ける形となりそうです。





冒頭で紹介した政府データによるサイトですが、

  • マップ
  • 死者数、感染者数推移
  • テスト数とその結果
  • 感染者、重傷者の移動経路と数
  • 国が企業に対する保証の金額や業種、失業者扱いの労働者数
等が見て取れます。非常に見やすいです。これまで感染者数が主要だった指標が今後は検査数、企業保証へとシフトしていくのではないでしょうか?
100年前のスペイン風邪は終息まで2年近く掛かったと言われているようです。まだ数ヶ月しか経っていないんですね。ウィルスの変質がもし起こるとするならば、できるだけ短期間に集中して自粛を行い、変質が現れる前に終息したいところですが、経済、学校とのバランスは難しい判断となります。
今回の危機がどれほどの期間で終息を迎えられるのか、こんな話をするのはまだ時期尚早と言い聞かせて、我々の意識と行動を今一度見つめ直したいと思います。

日本とは規模感が違いますが、このような状況下でのフランスのロックダウン解除でした。日本との比較は単純には出来ませんが、コロナ先進国として引き続き状況を発信して参ります。



最後に


丁度一ヶ月前のブログでお伝えした人の移動に関するGoogleのMobility Reportを現在と比較してみます。
(レポートの見方→コロナ前平常時を100%としたときの移動の回数の増減の指標)
人の移動が日仏でどのくらい変わったのか指標としてお伝えします。


※日本の現状の方がフランスの一ヶ月前と比べても人の移動は断然多い。やはり拘束力がない、罰金がないという違いは大きいと感じます。



🇫🇷フランス全国 最新の詳細レポートはこちら
🇯🇵日本 最新の詳細レポート各都道府県データはこちら
移動が増えたか減ったかわかりやすい指標です



それでは。 À bientôt ! あ びあんとぅ!

2020-04-17

フランスで「3Dプリンタ」初造形!

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世界がコロナ危機に渦巻く中、フランスは外出制限がはじまり、自宅軟禁状態となりました。この期間をチャンスと捉え、

3Dプリンタの造形にチャレンジ

することにしました。


  1. 光造形タイプ
  2. 機器
  3. 造形環境
  4. 造形準備
  5. 初造形テスト結果
  6. 加工時間


1.光造形タイプ

以前から光造形に興味があったのですが、機械が高価で手が出ませんでした。熱溶解による積層造形タイプ(FDM)の機種は家庭用の機種が1万〜数万円で買える時代になりましたが、光タイプは管理も大変だし、材料代も高く、高嶺の花でした。
しかし4〜5年前から30万円程度の機種(DLP方式)が出始め、その造形の美しさに惚れ込んでいましたが、ここ数年で3万円台で買える物が出回り始めました。その価格になったのは技術革新のおかげなのですが、LCDタイプと呼ばれる液晶を利用した装置による積層が可能になりました。
紫外線で感光すると固まる液体樹脂へ、液体の下から、埋め込んだLCD(液晶画面)が紫外線を照射します。
積層ピッチは最小0.025㎜、これによりFDMにくらべて滑らかな造形が可能となりました。

加工範囲はX150㎜×Y75㎜×Z150㎜とFDMに比べると大きくないですが、今回は自分にとって入門用なので問題ありません。’構造上大きく出来ない’ というのがこのLCD機種の特徴でもあります

2.機器

製品 NOVA3D Elfin


AMAZONの荷姿はこんな感じ。300㎜角のタイルなので600×450㎜程度でしょうか?


NOVA3D 製品名 Elfin (中国製)

NOVA3D サイトはこちら

3.造形環境

まだ場所が確保できていないので、自室の一部でテスト開始。温度による造形精度の違いもあるので、まずは平均的な環境で初テスト開始!室温21度、樹脂が紫外線に感光しないように直射日光の当たらない場所を選択します。

タッチ式の操作画面 WIFI接続が可能なもの、この機種Elfinの特徴です

4.造形準備

専用のソフト(スライサー)をパソコンにインストールして、 加工データを排出します。機械付属のサンプルデータで加工を行いました。
造形加工条件はデフォルトのままでまずはトライ!


上部のヘッド部分がプラットフォーム、プラスティック本体にアルミ板が取り付けられています。
下部にある弁当箱がVATと呼ばれるレジン受けです。この中にプラットフォームが入り、アルミ面に造形物が造形されます。

今回購入したマシンElfinの特徴は、初めにプラットフォーム(品物が造形される場所)のキャリブレーションが要らないことです。下部の液晶面と平行が出ていないと造形不良を起こすので造形ピッチ以下の平行度が必要になるのですが、このマシンは設定済みで、プラットフォームの取り付け「ガタ」がほとんど無いので取り外し〜再取り付けの繰り返し精度が他の機械よりも出やすい構造になっています。初心者でも開封後にすぐに使えると言うことですね!加えて送りねじの支持方法が、一般的には片持ちなのに対し、この機種は両端軸固定です。後発機種なので、この辺は精度にかかわる部分になるので、他メーカーを研究しているようです。

VATと呼ばれる材料入れに液体プラスティック(レジン)を入れていざ加工開始!メーカー推奨のレジンが手に入らなかったので、水洗い可能なレジンを購入、無謀にもいきなりこれでトライします。
熱溶解積層造形ではない、この手の光造型機の場合、加工完了後は液体のレジンにまみれているので、IPA(イソプロピルアルコール)で洗浄しなくてはなりません。しかし最近水洗い可能なレジンが出回り始めており、今回はこれを使用します!



細かい部分は洗浄が大変なので、超音波洗浄機をAMAZONで物色中・・・!
造形加工時間は約4時間でした。



タコサンプル、このタコの足は自在に動きます。組み立てたのでななく、一度の造形で部品のクリアランスも考慮して造形されます。したがって分解することが出来ません。



2.5時間 0.05㎜のピッチですがこの精度、仕上がりです。ピッチを最小にして、メディアを使ってバレル研磨で表面を仕上げてみたいです!

5.初造形テスト結果

結果、造形自体はうまくいきました。しかし何が一番大変だったかというと、造形完了後、プラットフォームに張り付いた品物を外すのが、もうどうやってもはずれなくて苦心しました。方法が分からず、無理に剥がすと品物が壊れるし、プラットフォームも傷つくし、まだそれ用の道具もそろっていません!果物ナイフを利用して時間をかけてなんとか剥がしましたが、一部品物が壊れるというハプニングもありました。今後、専用の道具と外すコツを研究します。油絵のコテ?が薄くて強度もあり、良いようなので一度購入してみます。→インプレッションはコチラ
造形中はプラットフォームは下を向いています。造形完了後、プラットフォームを本体から外して品物を剥がし取る工程。まだ液体のレジンも付着した状態。ここから品物を取り外すのが一番苦労しました。

もう一つ、洗浄後、紫外線を当てて二次乾燥を促してから完成になるのですが、二次硬化段階で変形がありました。これは加工条件の照射時間の不足により一次硬化が不足していたようでした。


6.加工時間


FDM熱溶解積層造形(フィラメントタイプ)と違い、照射時間とそのピッチ数が全体の加工時間に影響するため、同じ品物を並べて二つ作っても、全体の加工時間は変わりません(LCD方式)。
積層造形の場合は二個作ると単純に加工時間が二倍になるのでその点は大きな違いです。よって加工高さに比例することになり、同じ品物でも、例えば煙突のような物を縦に積層すると長く時間が掛かり、横にするとあっという間に終わります。ただし実際には三次元モデルへ造形用のサポートが必要であったりモデルを傾けるなどの工夫が必要になるのですが、その辺は別の投稿で紹介します。

今後は寸法精度がどれだけ確保できるか挑戦します。
あわせて塗装無しでの光造形素材を生かした表面仕上げの方法を検討したい(金かかる汗)。。。です。

精度が確保できれば複雑形状品の寸法検査治具などへの応用が可能だと考えています。切削では不可能だった形状への応用を模索します。

長々とお付き合いいただきありがとうございました。ニッチなブログがさらに深くなってしまいました。いずれは3Dプリンタ専用のブログを立ち上げたいと思います。
「フランスで造形」期待して下さい!!


それでは。 À bientôt ! あ びあんとぅ!

2020-04-08

ロックダウン、Googleによる視覚化された人の移動

Bonjour 町工場社長の地域密着型ブログへようこそ


フランスで移動制限がかけられてから3週間が経ちました。日本も昨晩から主要7都市で緊急事態宣言が発令されました。(生活目線で解説 フランス移動制限


フランスでは3週間が経過してようやく感染者数、死亡者数の増加傾向が減少し始めました。しかしパリではこれまで許されていた「1時間の散歩や運動」が10h-19hまで禁止になりました。まだ大都市では予断を許さない状況で有ることが伺われます。人が多いところではそれだけルールが守られていないということになるのでしょうか。



France3から


この人の動きをGoogleがデータ化し、視覚化できるフーマットが公開されています。
自宅に待機して頑張っていても、全体の動きは見えにくいですが、これを平常時と比較した数値で見えるので、どれだけ移動が減ったかの指針になり得ます。世界中のデータが確認出来ます!


COVID-19 Community Mobility Reports世界中の最新データ

これまでの日常の移動データを基準として、多い場合は「+」プラス、少ない場合は「−」マイナス表示されます。
以下は3月29日の各種データです。

🇫🇷フランス全国 最新の詳細レポートはこちら



  • レクレーション 88%減少
  • 購買 72%減少
  • 公園 82%減少
  • 公共交通機関 87%減少
  • 仕事場 56%減少
  • 自宅付近 18%増加


全体的にだいぶ移動が抑えられている印象です。
職場付近の移動数から会社のおおよその稼働率が伺えますね。
フランスは公園など市が管轄する場所は全て閉鎖されています。その効果が出ています。
自宅付近 18%増加→🇫🇷政府の指定した外出条件「一日1時間一キロ以内の散歩が可」が効いていると思われます!

🇫🇷レクレーションの移動は88%減少、購買の移動が72%減少、公園へは82%減少

🇫🇷公共交通機関87%減少、仕事場への移動56%減少、自宅付近の移動は18%増加



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🇯🇵日本全国 最新の詳細レポート各都道府県データはこちら



  • レクレーション 26%減少
  • 購買 7%減少
  • 公園 25%減少
  • 公共交通機関 41%減少
  • 仕事場 9%減少
  • 自宅付近 7%増加


全体的に減ってはいますが、フランスのそれまでにはまだ至ってません。
職場付近の減少率が少ないのは稼働率、テレワークが少ないと言われる報道の通りです。
レクレーションはこれからぐっと減ることになるでしょう!

🇯🇵 レクレーション 26%減少 、購買 7%減少、公園 25%減少

🇯🇵 公共交通機関 41%減少、仕事場 9%減少、自宅付近 7%増加

日本は”フランスの罰金などにみるような強制力”はないですが、本格的な移動制限がこれから行われるので、欧州の数値が目安になるはずです。

フランスは陽気が良くなって、ミニバカンスも始まっています。どうか今までの頑張りが水に流れないよう、もう一息頑張ってほしいものです。


各国、各都市ごとのデータも見られるので、詳しく知りたい方はサイトを訪問してみて下さい。

それでは。 À bientôt ! あ びあんとぅ!